ビジネス・技術

太陽光発電余剰の地域循環ビジネスモデルを実現する
「R.E.A.L. New Energy Platform™」の実証実験を開始
アイ・グリッド・ソリューションズ

◆太陽光発電の余剰電力を有効利用し、脱炭素化社会の実現に貢献

アイ・グリッド・ソリューションズは、伊藤忠商事株式会社、アイグリッド子会社の株式会社アイ・グリッド・ラボ及び株式会社VPP Japanと連携し、埼玉県内におけるスーパーマーケット ヤオコー(鶴ヶ島店、川越的場店)において、太陽光発電余剰の地域循環ビジネスモデルを実現する「R.E.A.L. New Energy Platform™」のVPP実証実験を2021年6月に開始する。

図1:「R.E.A.L. New Energy Platform」による実証実験(イメージ)

アイグリッドでは、「オフグリッド電力提供サービス」やEV充電ステーション「SOLA」、蓄電池・EVなどを、一体的に情報管理・制御可能な次世代エネルギープラットフォーム「R.E.A.L. New Energy Platform」のプロトタイプを構築した。

このプロトタイプの活用により再エネ比率の向上や地域レジリエンスに寄与する『太陽光発電余剰の地域循環ビジネスモデル』の商業ベースでの実現可能性を検証していく。

AIを使った「R.E.A.L. New Energy Platform」にて各種データを一元管理することで、更なる情報の高度利用が可能となり、需要家側のエネルギー制御の最適化や調整力としての活用を実現していきたいと考えている。

◆実証実験の検証内容

1. ベースとなる基礎技術検証として、需要予測、発電予測を一拠点で同時に実施し、予測精度を検証。また、拠点ごとのミクロな需要予測・発電予測を同時に行い、エリア特性・気象特性や業種・施設の電力使用特性を加味して、精度検証する。

2. IoTによる電力計測データの活用や、AIを用いた蓄電池・EVの充放電制御によって、太陽光発電自家消費の電力利用効率化を図る。

3. 太陽光発電余剰の地域循環ビジネスモデルについて、ビジネス面・技術面の基礎的検証を行う。また、蓄電池・EVの活用によって、余剰活用の効率がより高まる可能性を検証する。

4. 将来的な蓄電池・EVの普及によって、系統需給バランスにおける需要家側の調整力(デマンドサイドフレキシビリティ)としての活用とVPPネットワークによる新しいビジネスモデルの可能性を検証する。

図2:実証実験店舗(屋根上には太陽光パネル設置)
図3:EV充電ステーション「SOLA」(V2H

スーパーマーケット ヤオコーはアイグリッドの太陽光PPA事業にて、既に多拠点で太陽光パネルを設置・運営している。恒常的に人が集う生活拠点であり、周辺家庭との地域密着の連携ビジネスが構築できると考え、ヤオコーでの実証実験実施を決定した。エネルギー活用、地域電力融通、レジリエンスの観点で、生活に根差したスーパーで検証することで実用性を確立しているだけでなく、企業姿勢としてSDGs、環境への取り組みなど意識の高いヤオコーとの実践的検証を行うことで、早期に実用化できることを期待している。

図4:AI・IoTにより電力の制御を行う蓄電池(左写真)とEV・V2H(右写真)

太陽光発電の余剰予測に必要となる発電量AI予測は、ラボのAI・IoTによる発電量計測データや太陽光設備データ、気象データをベースとした予測技術と、伊藤忠商事の自社ブランドの家庭用蓄電システムでも採用している「Grid Share」の予測技術を連携して実装。伊藤忠商事の4万件超の蓄電池 ネットワークをアイグリッド顧客の地域スーパー網と連携させることによって、地域コミュニティでの電力融通や地域レジリエンスに貢献するビジネスモデルを構築するための基礎的検討を行う。今回の検証結果を元にアイグリッドと伊藤忠商事のネットワークをさらに活用し、地域循環ビジネスモデルの拡充をはかり、脱炭素化の推進を積極的に行っていきたいと考えている。

図5:流通小売業4,000店舗で実績のある「エナッジ®」の需要予測AIを展開・活用

将来的には、行動経済学のナッジ理論を用いた「エナッジ 」の省エネ促進機能や店舗内機器制御機能(空調・冷ケース等)を搭載する「エナッジAiR」との連携や、施設内の電力利用最適化と需要家側調整力(デマンドサイドフレキシビリティ)をアグリゲートし、系統への需給調整機能を提供するなど、新しいビジネスモデルへと展開することを目指していく。

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