ビジネス・技術

アイ・グリッド・ソリューションズ「R.E.A.L. New Energy Platform™VPP実証実験の結果は?

VPP実証実験とその結果

アイ・グリッド・ソリューションズ(以下、アイグリッド)は、2021年6月から、埼玉県内におけるスーパーマーケット ヤオコー(鶴ヶ島店、川越的場店)において、VPP実証実験を行ってきた。

今回の記事では実証内容を振り返りながら、その結果と今後の展開について紹介していく。

6月25日の記事でもお伝えしたように、今回の実証実験は以下のようなものであった。

① 「太陽光発電量と電力需要量との予測値の差による余剰電力量算出」の実現に向け、電力使用量、太陽光発電量、屋根上温度等のデータ、及び暦日情報や外部から取得した気象データに基づくAI予測分析の精度向上を図る。

② 「店舗の系統電力使用量抑制」や「非常時の電力確保」に向け、蓄電池やEVの充放電制御とその効果検証を行う。

◆実証内容

2021年6月4日から25日までの期間、IoTエッジ端末で各種データを収集してクラウドに送信。クラウド上のAIで以下のような予測を行い、その精度や結果の分析を行った。

<余剰量予測精度とその価値の分析>

A)電力需要量予測 : 気象情報、店内温度、電灯系/動力系それぞれの過去の電力需要量等に基づき、各店舗の電灯系/動力系の電力需要量を30分単位で予測し、実績との差異(予測精度)を確認。

図1 : 予測分析のリモート管理画面

B)太陽光発電量予測 : 気象情報、日射量、過去の発電量及び太陽光パネル面積に基づき、AIにより各店舗の将来の発電量を30分単位で予測。これを実際の発電量と照合し、その誤差(予測精度)を確認。

C)余剰量取引の経済性分析 : 今回の両店舗ではまだ余剰が発生しないため、太陽光発電量と系統電力需要量の予測値/実績値に一定の倍率を掛けて仮の余剰量を算出した。この余剰発生時のコマのJEPXスポット調達価格、インバランス料金、託送料、非化石証書等を加味し、小売電気事業者が “本余剰電力を真のCO2フリー電力として調達する場合” と、通常通りCO2フリー電力を市場調達する場合の経済性を比較分析。

図2 : 余剰分析のリモート管理画面

<機器制御方法とその効果分析>

D)蓄電池制御方法とその効果分析 : 上記電力需要量予測と太陽光発電量予測を基に、AIで蓄電池を制御する最適なシナリオを生成する。幾つかのロジックを用いてそのシナリオ生成を行い、ピークカット等の節電効果を検証。

E)EV充放電時の店舗への影響分析 : EV充放電時の店舗の系統電力需要量の変化とその効果を検証。

図3 : プラットフォームによる蓄電池・V2Hの制御
◆実証結果

A)電力需要量予測 : 既にエナッジでの需要量予測実績等があるため、改めて「予測と実績の差異は5%程度」と高い精度が得られた。

B)太陽光発電量予測 :基本気象予測相当の難易度のため、突然の雲の動き等を予測し切れず、20%からそれ以上の誤差が出てくることもあった。ただし、精度向上の道筋は見えたので、更なる学習データ蓄積と継続的な予測分析方法の検討を図る。

C)余剰量取引の経済性分析 : シミュレーションの結果、小売電気事業者にとっての調達価格は、「本余剰電力を“CO2フリー電源として” 調達する場合(下図①)」と、通常通り「スポット市場と非化石​価値取引市場から電力量と非化石証書を調達し、併せてインバランス料金を支払う結果になる場合(下図②)」とで遜色が無いことを改めて確認した。

本シミュレーション結果から、余剰電力を活用することで、小売電気事業者が、現状の市場調達に比べ “CO2フリー電力をより安定的に調達すること” が可能になると考える。

図4 : 余剰電力量の流通時シミュレーション
図5 : 各種予測分析イメージ

D)蓄電池制御効果 : AIにより生成した最適なシナリオに則ったプラットフォームからの蓄電池充放電により、ピークカット等の節電効果が検証出来た。

このような蓄電池制御をVPP Japanの太陽光発電と組み合わせていくことで、ピークシフト等の効果を生み出していくことも可能になる。

図6 : 蓄電池の最適制御

E)EV充放電の効果 : EVから店舗宛への放電時、店舗の電力需要量(即ち系統電力の利用量)が下がっていることが確認出来た。

図7 : EV充放電と店舗の電力需要量の相関

このように、R.E.A.L. New Energy Platform™は、電力とEVの統合管理・制御を可能にする。

◆R.E.A.L. New Energy Platform™の可能性

以上の結果から、アイグリッドが現在重視している「太陽光発電の余剰電力流通」や「分散集約型電源の活用及びBCP対策等による地域貢献」の実現性評価が出来たと考えている。

これは即ち「R.E.A.L. New Energy Platform™」の以下の可能性が改めて検証出来たということである。

Renewable」 再生可能エネルギー
Economical」 経済的
Aggregate」 分散集約型
Local」 地域循環

今回の実証実験により、エネルギーのあるべき未来が見えてきた。

地球と共生する豊かな社会を実現するため、「R.E.A.L. New Energy Platform™」の更なる発展に期待したい。

【VPP実証実験問い合わせ先】

株式会社アイ・グリッド・ソリューションズ 

広報・PR 渡辺 宛

TEL:03-3230-1280

Mail:pr@igrid.co.jp

▷関連記事

アイ・グリッド・ソリューションズ「R.E.A.L. New Energy Platform™」VPP実証実験って何?

太陽光発電余剰の地域循環ビジネスモデルを実現する「R.E.A.L. New Energy Platform™」の実証実験を開始

脱炭素社会の実現に向けた取り組み 「仮想発電所 デジタル推進プロジェクト」発足

【みるエネルギー辞典】人工知能(AI)と連携した蓄電池とは?

【みるエネルギー辞典】V2Hとは?

▷グリラボSNSのフォローお願いします!!

Twitter @gurilabo
Instagram @gurilabo

▷アイグリッドグループ

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 01.gif
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: eng_g2.png
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-8.png
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: image-9.png

シェア