暮らし

同じ間取りでもこんなに違う!?一戸建てとマンションのエネルギー使用事情

部屋数が多い、面積が広いなど、間取りが広ければ広いほど電気代が高くなるのは当然と考える方が多いでしょう。では、一戸建て住宅とマンション、鉄筋造と木造など、家の形態や構造による電気代の違いに関してはどうでしょうか。

ここでは、株式会社アイ・グリッド・ソリューションズが実施したアンケート調査で得られた結果をもとに、家庭におけるエネルギー事情や節電方法について解説します。

エアコン

アンケート概要・結果

アンケート実施期間:2022/05/23-06-03

対象 :アイグリッドが提供するスマ電・スマ電CO2ゼロ利用者(6.5万人)

回答数:7,127

 

今回のアンケートは、お客様のエネルギー使用量と電気代及び住居種類や構造、間取り、居住人数、家族構成を調査し、平均的な使用量・電気代を算出しました。

この結果とみなさまのご自宅での使用量・電気代を比較をしてもらい、どのような節電方法が適切かを知っていただければと思います。

 

今回の調査で分かったことは大きく分けて2つあります。

まず、戸建て住宅はマンションなどの集合住宅に比べ電気代が高くなる傾向にあること、もう一つは、鉄筋・鉄骨住宅よりも木造住宅のほうが電気代が高くなりやすいということです。

また、電気代に影響を与える要素として一番重要なのが、間取り(部屋数)ということもわかりました。

次に重要なのが 戸建て住宅 or 集合住宅、次に木造 or 鉄筋と続きます。

 

比較・分析

ここでは、6つの間取りに分け、それぞれ同じ間取りで電気代がどのくらい違うのかを比較しました。比較対象は以下の3つです。

 

戸建てと集合住宅の比較

鉄筋・鉄骨と木造の比較

戸建てと集合住宅 × 鉄筋・鉄骨と木造の比較

 

なお、電気代は「スマ電CO2ゼロ+」東京エリアを基準とし、24時間一定の使い方をした場合の単価 29.15円/kWhを、年間使用量に掛けたもので統一しています。

 

① 戸建てと集合住宅の比較

まずは、同じ間取りでも戸建てと集合住宅でどの程度電気代に違いがあるのかを解説します。

 戸建て or マンション(集合住宅)

5LDK以上を除き、戸建て>集合住宅

2LDK・2DKが最も差額が大きく、戸建ての方が年間で約3万円電気代が高い

各間取りの件数の違いも大きいが、全体で見ると年間で約6万円の差がある

 

調査結果によると、5LDK以上を除き、集合住宅よりも戸建て住宅のほうが電気代が高いことがわかりました。

特に顕著な差が見られるのが、2LDK・2DKの間取りです。集合住宅に比べ戸建て住宅が年間3万円も電気代が高くなっています。間取りに関係なく全体でみると、戸建て住宅のほうが年間6万円高くなることもわかりました。

 

② 鉄筋・鉄骨と木造の比較

続いて、鉄骨・鉄筋造と木造の差をみていきましょう。

② 鉄筋・鉄骨 or 木造

概ね、木造>鉄筋・鉄骨  ※1R・1Kについては、該当件数の差異が大きい(1,592件⇔481件)

3LDKが最も差額が大きく、木造の方が年間で約1万3千円電気代が高い

各間取りの件数の違いも大きいが、全体で見ると年間で約2万7千円の差がある

 

1R・1Kを除き、木造住宅のほうが電気代が高くなることがわかりました。中でも間取りが3LDKのときの差が最も大きく、鉄筋・鉄骨造よりも木造の方が年間約1万3千円高い結果となっています。

間取りに関係なく全体でみると、各間取りの件数の違いは大きいものの、年間で約2万7千円の差がありました。

 

③ 戸建てと集合住宅 × 鉄筋・鉄骨と木造の比較

次に、戸建て住宅と集合住宅をそれぞれ鉄筋造と木造に分け、電気代の違いを検証した結果を紹介します。

③ 戸建て or マンション×鉄筋・鉄骨 or 木造

最も電気代が高いのは、木造集合住宅の5LDK以上 ※ただし、該当件数は4件

該当件数100件以上に限定した場合、最も電気代が高いのは鉄筋戸建の5LDK以上で、年間16万円

電気代への影響度合いは、 間取り(部屋数)> 戸建てor 集合住宅 > 鉄筋or木造

 

この調査で分かったことは、木造集合住宅の5LDK以上が最も電気代が高くなるということです。ただし、木造集合住宅5LDKの物件該当数が少数であるため、データに偏りがある可能性があります。

該当数が100以上ある物件に限定すると、最も電気代が高いのは鉄筋造の戸建て住宅となり、年間の電気代が約16万円であることもわかりました。

上記3つの調査からもわかるように、電気代への影響は、間取り(部屋数)> 戸建て o r集合住宅 > 鉄筋・鉄骨造 or 木造 の順となるようです。

 

集合住宅より戸建ての電気代が高くなる理由

集合住宅

集合住宅より戸建て住宅の電気代が高くなりやすいのはなぜでしょうか。理由を3つ解説します。

契約アンペア数が上がったため

戸建て住宅では集合住宅よりも家族の人数が多かったり、部屋数が多かったりすることが少なくありません。家族の人数が多いと一度に使用する家電の量も必然的に多くなるため、ブレーカーが落ちないよう契約アンペア数を高くしておく必要があります。

契約アンペア数は電力会社によっても異なりますが、一般的に10Aごとに300円程度基本料金が上がるといわれています。

建物の気密性が低いため

戸建て住宅は集合住宅より気密性が低いことも、電気代が上がりやすい理由の一つです。気密性が低いと外の空気が入りやすくなったり、室内の空気が外に逃げやすくなったりすることから冷暖房の効率も下がってしまいます。

また、気密性だけでなく、屋根や外壁が直接日光にさらされることで外気温に左右されやすいことも影響しています。冷暖房の効率が落ちれば部屋の温度を維持しようと家電製品に負荷がかかるため、電気代が高くなりやすいのです。

専有面積が広いため

集合住宅より戸建て住宅のほうが専有面積が広いことも、電気代が高い理由となります。戸建て住宅は集合住宅に比べ天井が高いことも多く、面積だけでなく空間の広さも関係しているでしょう。

大きな空間は小さな空間よりも、室内を快適な温度にするためにより大きなエネルギーを必要とします。冷暖房費だけでなく、照明なども部屋の広さに左右されます。

 

戸建ての節電方法

節電

次に、戸建て住宅の電気代を節約するためにできる方法を5つ紹介します。

断熱性を高める

電気代の多くを占める夏や冬の光熱費を抑えるには、家の断熱性を高めることが有効です。断熱性能の良い家は電気代が安くなるだけでなく、四季を通して快適に過ごすことができるようになります。

窓やサッシの変更、壁の断熱リフォームなど、予算に合わせてできることから断熱性や気密性を確保していきましょう。

契約アンペア数の見直し

必要な電気量に合わせて、アンペア数を適切なものに見直すことも大切です。アンペア数は10アンペアごとに300円前後基本料金が上乗せされるため、契約アンペア数が適切でない場合、余計な基本料を払っていることになります。

戸建て住宅の場合、核家族なら20〜30アンペア、子どもが多かったり両親と同居していたりする場合は50〜60アンペアと、同居する人数によっても変わります。現在の契約アンペア数は検針票(電気使用量のお知らせ)に記載されているので、確認してみましょう。

自宅に必要な電気量を知るには、使う家電がどのくらいあるかを書き出し、それぞれのアンペア数の合計を出してみることです。アンペア数を計算できるサイトもあるので、計算が難しい場合はぜひ利用してみてください。

電気料金プランの見直し

現在契約している料金プランを見直すのも一つの方法です。電気会社は複数のプランを用意していることが多く、使用量や使用する時間に適したプランにすれば、電気量を下げられる確立が高まります。

また、電気会社を比較し、新たな電気会社に乗り換えるのも良いでしょう。新電力会社や再エネ電力会社などは会社によって料金設定が異なるため、使用量が同じでも電気代を下げられる可能性があります。

電気料金の比較ができるサイトもあるため、電気代を少しでも下げたい方はぜひチェックしてみてください。

 

エネチェンジ

https://enechange.jp/

価格.com

https://kakaku.com/energy/

 

節電効果の高い家電を使う

古い家電を使っているなら、省エネ性の高い新しい家電製品に買い換えるのも節電効果があります。例えば、エアコンは15年前のものに比べると省エネ性能が格段にアップしているため、大きさやモデルにもよりますが、年間で数千円から一万円程度の節約になることも。

新しい家電はより便利な機能が搭載されているなど、電気代以外のメリットもあります。

関連記事:グリラボ「省エネ家電の見分け方!省エネラベルとは?【教えて省エネ部長】」

太陽光発電の導入

電気の使用量を減らせない場合、太陽光発電を導入するのもおすすめです。コロナ禍の昨今では、在宅ワークによって自宅にいる時間が増えるため、どうしても電気料金が上がりがちです。

太陽光発電は日中の電力を太陽光によってまかなえるため、主に電気料金がかかるのは夜間や天候不良で発電できない間となりますが、蓄電池を併用することにより更なる節電効果が期待できます。

鉄筋より木造の電気代が高くなる理由

次に、鉄筋住宅よりも木造住宅の電気代が高くなりやすい理由を紹介します。

断熱性・気密性が低い

木造住宅は鉄筋住宅に比べ一般的に気密性・断熱性が低く、室内の温度を常に一定に保つのが難しい傾向にあります。冷暖房で室内を快適温度にするまでの時間も比較的長く、その分電気代が多くかかってしまうのが木造住宅の特徴です。光熱費を安く抑えるという意味では、鉄筋や鉄骨造の住宅のほうが優れているといえるでしょう。

外気の影響を受けやすい

木造住宅は通気性がよく湿気がこもりにくいメリットがある一方で、外気の影響を受けやすく冷暖房効率が落ちることがデメリットです。屋内の気温が暑ければ室内も暑くなり、寒ければ室内も寒くなりやすいため、快適に過ごすなら電気代が多くかかってしまうのは避けられないでしょう。

木造の節電方法

電気代が高くなりがちな木造住宅の節電方法を3つ紹介します。

断熱性を高める

断熱性を高めるとは、外部からの熱や冷気の侵入を防ぎ、室内の空気を外に逃がさない状態をつくることです。住宅は、壁、天井、床などから外気の影響を受けやすくなっており、これらの断熱性を高めることで室内を快適な温度に保ちやすくなります。

壁に断熱材を入れる、カーテンを断熱性のあるものに変える、床に厚手のカーペットやラグを敷くなどして対策を取りましょう。

気密性を高める

断熱性に似たものに気密性があります。気密性とは、家の隙間から空気が出入りしないようにしっかり密閉することです。家の隙間からは冷たい空気や熱が侵入しやすく、室内の温度や快適性に影響を与えます。

気密シートなどで建材同士の隙間を密閉したり、窓を樹脂サッシなど気密性の高いものに交換することで、電気代を安く抑えることにつながります。

電気料金プランの見直し

木造住宅は気密性や断熱性にやや弱い一方で、健康面や快適性の面で優れた部分もあります。木造住宅にお住まいの場合は、少しでも電気代を安くできるよう電力会社の変更や料金プランの見直しをしてみるのがおすすめです。

特に新電力会社や再エネ電力会社は多彩な電気料金を用意しており、自身の生活スタイルにあったものが見つかれば大きな節電効果も期待できます。この機会にぜひ電気料金プランの見直しをしてみてはいかがでしょうか。

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