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【インタビュー】対策を何もしないわけにはいかなかった~空調自動制御で節電状態を恒常化~ 株式会社ウオロク様

はじめに

ウオロク様は新潟県内で43店舗のスーパーマーケットを展開されている流通小売企業です。今年でスーパーマーケット開業60周年を迎えられ、地元のお客様に長く愛されています。2019年より空調自動制御システムR.E.A.L. AiR (旧エナッジAiR、以下AiR)』を導入いただいており、当社にとってはスーパーマーケット業界におけるAiRの1stユーザーです。

今回はAiRの導入店舗を増やしていただいたことをきっかけに、株式会社ウオロク 総務部 次長の飯ヶ浜様にインタビューさせていただきました。

株式会社ウオロク 鳥屋野南店

AiRを導入される前に抱えていらっしゃった課題は何ですか?

当社ではもともと電気を始めとする販売管理コストに関心が高く、またエコアクション21(注1)の認証を取得するなど環境活動を進める中で、少しでも電力使用量を抑えたいと思っていました。既にアイ・グリッド・ソリューションズ(以下アイ・グリッド)様のサービスであるエナッジ(注2)を導入し店舗スタッフによる省エネ活動を推進しておりましたが、さらに節電したかったというのもあります。

店長の中には空調を始め照明や冷ケースまで手動で細かく調整する者もおりますが、その店長が他店舗へ異動すると節電の運用が変わってしまうことがあります。そういったムラやムダも自動化によって解決したいと思っていました。

特に最近では、震災以降高まっていた節電意識も風化しつつもあるので、一層気を引き締めたいところです。

(注1)エコアクション21:環境省が定めた環境経営システムに関する第三者認証・登録制度。ウオロク様のエコアクション21についてはこちらから

(注2)エナッジ(現R.E.A.L E-Nudge):従業員の行動変容を促し、電力使用量を最適化するアイ・グリッドのエネルギーマネジメントシステム。

弊社の他にも選択肢があったと思いますが、初めてAiRを導入いただいたときの決め手は何でしょうか?

初めてAiRを導入するときは、エナッジにて一定の効果を得ていたので、アイ・グリッド様のことを信頼していたこともあり、導入してみたことがきっかけです。当時、他社類似製品を先に導入しておりましたが、期待していた効果が得られなかったのです。AiRは検証段階でしたが、思い切って導入してみて効果が得られたので、導入・拡大を進めていきました。

また、ウオロクでも太陽光発電設備を導入しておりますが、新潟では雪の影響で冬の発電率は5%ほどにまで低下するのです。そのため電気を創ることに加え、冬の電力使用量を減らすことも重要になっていきます。

当時検証段階ということでしたら、導入による店内環境の悪化や効果が出ない可能性など懸念に思われませんでしたか?

最初に試験導入という形で小規模に導入したので、店内環境の悪化に対する不安はあまりありませんでした。とにかく電力使用量の対策を何もしないでいるわけにはいきませんでしたし、エコアクション21やLED化など、当社も以前から電気については関心を持ってきた会社なので、その延長線上という感覚です。

実際導入いただいて、良かった点を教えてください。

まずは販売管理コストである電気代を抑えられたことです。店内環境が悪化してお客様や従業員の負担にならない限りは、販売管理コストを下げ利益を上げて、新たな設備投資に回したり値上げをせず済ませたりできる方が良いと思っています。

節電効果については、店舗によって差はありますが、平均して全電力使用量の約3%が削減できています。スーパーには冷蔵・冷凍設備や照明もありますから、全体の電力使用量のうち空調の占める割合が10%前後です。その空調電力使用量のうち30%から40%近くはAiRによって削減されていました(注3)。特にいまは世界情勢により原料高・燃料高・円安とエネルギー価格高騰のトリプルパンチを受けており、電力使用量を減らして安く済ませられるのはありがたいです。

また、AiR導入は当社が取り組むCO2排出量削減として、対外資料に掲載させていただいています。LEDもそうですが、電気を賢く使うことはこれから重要になりますし、スタンダードにもなっていきます。そういったことを先んじて取り組んでいるというのは、ステークホルダーへのアピールにも繋がります。

(注3)削減効果に関する数値はウオロク様のケースになります。各施設や設備の状況によって変動します。

鳥屋野南店のバックヤードにあるR.E.A.L  E-Nudge、AiR端末

弊社の営業はいかがでしたか?

レスポンスが早くスムーズに進むので助かっています。最近は別の者が担当しているので一緒に仕事はできていないですが、担当の開発部の者と早くやり取りいただいていると聞いています。

今後の課題や構想についてお聞かせください。

課題で言えば、まずはCO2排出削減の問題があります。今年の3月にサステナビリティ・リンク・ボンド(注4)という社債を発行しました。CO2排出量の削減目標を定め達成すれば 一定のインセンティブを得られるというものです。資金の面でも、CO2排出量削減をどうやって取り組んでいくか、考えて実践していかないといけないことです。脱炭素化推進のトレンドが強くなるなかで、Scope2 (注5)のほとんどを占めている自社の電力利用由来のCO2排出を減らす観点においても、電力利用量を最適化していくことは重要になります。

もう一点、我々はスーパーマーケットなので、食品事業者の観点では、食品ロスの削減も課題となってきます。ロスを出さないために、例えば値下げタイミングの検証やAIによる発注支援システムの導入をしています。発注支援システムは、需要予測に基づいて発注量を自動的に決定するもので、ロスを減らすだけでなく、品切れがなくなることで売上も伸ばすことができます。

(注4)サステナビリティ・リンク・ボンド:企業や自治体などの発行体が、事前に設定した将来的なサステナビリティ/ESGに関する目的の達成状況に応じて、財務的・構造的に変化する可能性のある債権の総称。くわしくはこちら▷

(注5)Scope2 :温室効果ガス排出量を算定するための手法にScopeという考え方があり、そのうちScope2は他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う温室効果ガスの間接排出を指します。

他にウオロク様ならではの、アピールいただけることはありますか?

実は3年ほど前から、食品廃棄物のリサイ  クルを同じエリアの競合企業様と共同で行っております。先方の環境担当者様と声をかけあい、廃棄物の収集運搬業者様・リサイクル業者様の協力により実現しました。商売上はあくまでライバルとして切磋琢磨していくけれど、コスト削減するために一緒にできるところは地域で連携しながらやっていくという流れも、今後必要になってくると思っています。食品廃棄にしてもリサイクルにしてもお金がかかりますし、環境に至っては人類共通の課題ですから企業の壁を超えていきたいです。チャンスがあれば、こちらからも他社にお声がけして、ウオロクが引っ張っていきたいと思っています。

最後にメッセージをお願いいたします。

60年前、新潟県新発田市で開業して、そのとき生まれ育ったお子さんはいま60歳です。新発田を含め新潟で暮らすみなさまの食生活やお子さんたちの成長も支えてきたと自負しています。地域のみなさまの食生活をいかに支えていくかは我々の最大の使命ですから、ウオロクファンのみなさまの人気を落とさず事業を継続していけたらと思っております!  

■ご協力:株式会社ウオロク 本社/新潟市中央区鐙二丁目14番13号

総務部 次長 飯ヶ浜耕治 様

■撮影店舗:株式会社ウオロク 鳥屋野南店/新潟市中央区鳥屋野2005番1

 

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