JCLPとは?活動内容や加盟企業、加盟条件などをわかりやすく解説

世界には、RE100やEP100など脱炭素への取り組みを先導するイニシアチブが複数存在します。これらの国際的なイニシアチブに先駆け、2009年に日本で発足した企業グループがJCLPです。

本記事では、気候変動の回避や2050年のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを行っているJCLPについて、わかりやすく解説します。再生可能エネルギーの導入はもちろん、気候変動への対策を通して脱炭素に貢献したいと考えている企業の方はぜひ参考にしてください。

JCLPとは?

JCLPとは日本気候リーダーズ・パートナーシップの略で、脱炭素社会への移行をリードする日本独自の企業グループです。2024年5月時点の加盟企業数は249社に及びます。JCLPは、持続可能な脱炭素社会の実現に向け、産業界が前向きに危機感を持ち積極的に行動を起こすべきであるという認識のもと、2009年に発足しました。

JCLPの具体的な活動目的は、パリ協定において全世界で目標とされている1.5℃目標を達成し、スムーズに脱炭素社会へ移行することです。また、以下の6つの活動において日本を先導し、脱炭素社会を実現することを活動方針としています。

・政策関与

・バリューチェーン全体の脱炭素化

・社会へのソリューション提供

・適切な世論の形成

・ステークホルダーとの協議

・国際ネットワーク活動(情報共有・国際社会への提言等)

参照元:JCLP公式HP

JCLPの主な活動内容

次に、JCLPの主な活動を4つ紹介します。

海外ネットワークを通じた重要動向の先行把握

JCLPでは、企業が中長期的な脱炭素経営を行えるよう、一歩先を見越した情報提供を行うことを心かげています。例えば、年4回のニュースレターの配布、イベントの実施、海外視察を通じて、企業が気候変動対策を行う重要性への理解を深めることなどです。重要動向を一足早く把握することで、加盟企業が適切な判断をできるようサポートしています。

また、各分野の第一人者との対話を行うことで、ある分野の産業が他の分野に与える影響を把握し、事業戦略を立てるサポートにも力を入れています。

脱炭素経営の実践

JCLPでは、企業が脱炭素の活動を実践するために必要なサポートを行っています。具体的には、国際ビジネスイニシアチブの主催者である「非営利組織クライメイト・グループ」とのパートナーシップにより、加盟企業に対しRE100・EP100・EV100へ参加することを支援するものです。

また、RE100の基準を満たさない企業に対して、再エネ100%を達成するための支援も行っています。

脱炭素コンソーシアム:企業間の知見共有・協働

JCLPでは、脱炭素企業の担当者同士がつながる場所として、「脱炭素コンソーシアム」というプラットフォームを設けています。

プラットフォームを活用することで、すでに脱炭素に取り組んでいる企業を参考にしたり、お互いに協力しあったりして新しいソリューションを生み出すことが期待できます。個人だけでは難しい脱炭素の課題解決や、再エネへの取り組みの実践の場とすることが狙いです。

脱炭素社会を実現する政策サポート

JCLPは企業が再エネを導入しやすいよう、政府に対して声を上げる活動も行っています。2050年のカーボンニュートラルを実現するためには、気候変動の危機を回避することはもちろん、各企業が再生可能エネルギーを十分に調達できる環境を整えることも重要です。

JCLPは需要家側の立場として、政府に意見書や提言を発表し、関係する省庁や大臣との対話を進めています。実際に、発足時からこれまで30件以上の政策提言を公表しています。

JCLPはこれまで、RE100や2050年ネットゼロといったテーマも国の政策に先駆けて提言しました。その提言は、2020年にカーボンニュートラル宣言につながっています。

2024年は、国のエネルギー計画や温室効果ガスの排出削減目標(NDC)を決める重要な年となっています。1.5℃目標を達成に向け、どのような目標にすべきかJCLPでも独自に試算し、政府に提言しています。

JCLPに加盟している主な企業

JCLPには、2024年5月時点で249社が加盟しています。正会員である主な企業は以下の通りです。会員企業の総売上高は169兆円にもおよんでいます。

・オリックス

・五洋建設

・積水ハウス

・武田薬品工業

・大和ハウス

・戸田建設

・芙蓉総合リース

・三井住友信託銀行

・三菱地所

・みんな電力

・リコー

なかには、セールスフォース・ジャパンやアストラゼネカなどの外資系企業も加盟しています。当サイトを運営しているアイ・グリッド・ソリューションズも、正会員のうちの1社です。

JCLPはRE100・EP100・EV100の日本地域パートナー

JCLPは、国際イニシアチブであるRE100・EP100・EV100の日本地域パートナーとしての役割も担っています。

それぞれのイニシアチブについて簡単に触れておくと、RE100は事業を行うための電力を100%再エネでまかなうことを目標とする組織、EP100は事業におけるエネルギー効率の倍増を目指す組織、EV100は電気自動車の利用促進を行う組織です。

JCLPに参加することで、これらのイニシアチブに参加するためのステップを1つずつ踏むことができます。実際に、多くの企業がJCLPからRE100などへの参加を達成しています。国際イニシアチブへの参加を目指す企業は、JCLPに加盟することで、国際イニシアチブへの参加をサポートしてもらうことが可能です。

JCLPについてよくある質問

JCLPへの加盟を希望する企業からよくある質問は、以下の通りです。加盟条件など、ぜひ参考にしてください。

JCLPに加盟するための条件は?

JCLPには、賛助会員・準会員・正会員の3種類の会員があり、それぞれ加盟するための条件が異なります。1つずつみていきましょう。

・賛助会員

賛助会員には、脱炭素に取り組む積極的な姿勢が求められます。JCLP賛助会員規約に同意すること、JCLPの理念・コンセンサス・提言等を理解し賛同すること、会員コミットメントを理解し取り組むことなどの、8つの条件をクリアした場合に加盟することが可能です。

・準会員

準会員は、上記の賛助会員の要件に加え、脱炭素に関する特定分野への強みや専門性、実績があることなどの、5つの条件をクリアする必要があります。JCLPが行う活動との親和性が高いことや、活動への高い参加意欲を持っていることなども条件の1つです。活動を行うための社内リソースが確保されているかどうかも、加盟するための条件となります。

・正会員

正会員になるためには、既存の正会員の9割以上の承認を受ける必要があります。その他にも条件があるため、詳しくは公式HPよりJCLP事務局までお問い合わせください。

JCLPの会費は?

JCLPの年会費は、会員種別ごとに分かれています。それぞれ以下に紹介します。

・正会員:150万円

・準会員:大企業60万円、中小企業30万円、再エネ事業者・コンサルティング事業者80万円

・賛助会員:大企業20万円、中小企業10万円、再エネ事業者・コンサルティング事業者30万円

JCLPに加盟する際の流れは?

JCLPに加盟する際は、以下の6ステップで進めていきます。

①加盟要件と提出物の確認

②問い合わせフォームから申し込み

③JCLP事務局より送られてくる加盟前アンケートに回答

④審査

⑤JCLP事務局から送られる加盟申請書の提出とその他必要書類の提出

⑥会員契約成立・年会費の納付

上記に加え、正会員に加盟する場合は、事前の打ち合わせや既存正会員からの承認を得るなどのプロセスが必要です。

アイ・グリッドはJCLPの正会員!気候変動問題に真剣に取り組む企業

JCLPは、脱炭素への取り組みを積極的に行う意思のある会員企業で構成される日本独自の団体です。なかでも、正会員は具体的な脱炭素に向けた活動を行い、JCLPを通じて他の国際的イニシアチブにも加盟しようとする姿勢のある企業が加盟しています。

当サイトを運営しているアイ・グリッド・ソリューションズも、2023年にJCLPの正会員として加盟しました。今後も再生可能エネルギーの普及を中心に、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、国際的かつ地域の持続可能な発展に寄与していく所存です。

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