SDGsとは何か簡単に説明!私たちにできることは?17の目標も解説
2015年に国連で採択された国際目標「SDGs」は、さまざまな場面で取り上げられているため、言葉だけなら知っている方も多いでしょう。しかし、具体的にSDGsの内容を聞かれても、うまく説明できない方が多いかもしれません。
本記事では、SDGsの内容をわかりやすく説明したうえで、目標を達成するために私たち一人ひとりができることを解説します。改めてSDGsを学びたい方や、今さら聞けないお悩みがある方など、ぜひ本記事をSDGsのおさらいとしてお役立てください。
SDGsとは?
SDGs(Sustainable Development Goals)とは、持続可能な世界を実現するための国際的な目標です。「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載されているもので、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標を指します。世界では、貧困や戦争、気候変動などの問題によって、地球に住み続けられる環境が失われつつあることが懸念されています。
SDGsは、世界のさまざまな立場の人々が地球の課題を整理し、解決するために話し合って立てた目標のことです。SDGsは、2015年に国連によって開催された「持続可能な開発サミット」にて採択されました。
SDGsは先進国・発展途上国にかかわらず、国際的に達成すべき目標であるため、「誰1人取り残さない」ことも誓っています。
SDGsが目指している持続可能な開発って何?
国連では、持続可能な開発について「将来の世代がそのニーズを満たせる能力を損なうことなしに、現在のニーズを満たす開発」と定義しています。
つまり、子どもや孫を含む、将来の世代が不自由なく暮らせる環境を保ったまま、現代の人々の消費も支えていけるような社会を目指すことです。
人間が生きている以上、消費活動は避けられないものですが、自然環境を利用しすぎてしまうと環境破壊につながります。回復できないほどまで自然環境が破壊されれば、未来の世代の生活が危うくなってしまうでしょう。
持続可能な社会を実現するためには、自然環境を保全すること、また資源の消費を抑えながら自然が再生するスピードをコントロールすることが重要です。
出典:国際連合広報センター「持続可能な開発のための2030アジェンダ ー よくある質問」
SDGsの17の目標とは?
SDGsには、以下の17の目標が定められています。
1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
5.ジェンダー平等を実現しよう
6.安全な水とトイレを世界中に
7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基礎をつくろう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任 つかう責任
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう
16.平和と公正をすべての人に
17.パートナーシップで目標を達成しよう
また、上記17の目標はそれぞれ「社会」「経済」「環境」「3つの分野すべてに関わる枠組み」の4つの分野に分けられています。目標1から6までを「社会分野」、目標7から12までを「経済分野」、目標13から15までを「環境分野」、目標16から17までを「枠組み分野」としています。
出典:外務省「JAPAN SDGs Action Platform」
世界のSDGs達成状況
SDGsは2030年までに実現すべき目標として掲げられていますが、現時点における世界のSDGsの達成状況はどのくらいなのでしょうか。日本と世界の状況を紹介します。
日本の進捗は良くない。2023年に達成度ランキング20位台へ転落
2023年に公表された「Sustainable Development Report 2023(持続可能な開発レポート)」におけるSDGsランキングによると、日本は166カ国中21位となり、初めて20位を下回りました。参考として、日本のこれまでの順位を以下に記載します。
・2016年:18位
・2017年:11位
・2018年:15位
・2019年:15位
・2020年:17位
・2021年:18位
・2022年:19位
・2023年:21位
同報告書では、17の目標について各国の進捗を「達成済み」「課題が残る」「重要な課題がある」「深刻な課題がある」の4段階で評価しています。
17の目標のうち、日本が「達成済み」と評価されているのは2項目のみで、「課題が残る」「重要な課題がある」「深刻な課題がある」についてはそれぞれ5項目ずつある結果となりました。日本のSDGsの進捗状況は決して良いとはいえない状況です。
とくに、国会議員の女性比率が低くジェンダー平等の評価が低くなったり、二酸化炭素排出量が多く気候変動対策への評価が低くなったりした点が目立ちました。電子機器の排気量やプラスチックごみの輸出量も多く、つくる責任とつかう責任も遵守できていない状況です。
経済成長率がマイナスであった点や、強制労働に関連した輸入品が多い点からは、働きがいと経済成長を両立する社会に貢献できていないと判断されています。
達成度ランキング上位にはヨーロッパ諸国が名を連ねる
2023年のSDGsランキングで上位にランクインした国は、1位がフィンランド、2位がスウェーデン、3位がデンマークと続いています。4位以下もドイツ、オーストリア、フランス、ノルウェーとヨーロッパ諸国がランクインしており、ヨーロッパにおけるSDGsへの関心の高さがうかがえます。
一方、二酸化炭素排出量が毎年多いといわれている国は、順位が低い傾向が見られました。例えば、アメリカは39位、中国は63位、インドは112位でした。
SDGs目標を達成するために私たちにできることは?一例を紹介
日本がSDGs達成度ランキングにおいて年々順位を下げている結果を受け、私たち日本人がSDGs達成のためにできることには、どのようなものがあるでしょうか。一例を紹介します。
エネルギーの無駄遣いをしない
環境のためにできる対策として、エネルギーを無駄に使わないことが挙げられます。電気や水を必要以上に使うと、たくさんのエネルギーが必要になるため、そのぶん温室効果ガスを多く発生させることにつながるからです。
例えば、生活の中で以下のことに気をつけるだけでも、エネルギー削減に役立ちます。
・テレビをつけっぱなしにしない
・家電や照明は省エネタイプのものを選ぶ
・エアコンは高すぎず低すぎない適温に設定する
・移動の際は公共交通機関を利用する
・洗い物のときに水を出しっぱなしにしない
水を出しっぱなしにしないことは、水資源の節約につながると同時に、浄水場や下水処理場で使用する電力を節約することにもつながります。電気だけでなく、水も無駄に使わないよう心がけましょう。
本当の意味で環境に配慮したサービスや製品を利用する
サービスや製品を購入する際は、本当の意味で環境に配慮したものかを見極め、選ぶことが大切です。例えば、包装が簡易であるものや、マイバッグ(ボトル)に入れて持ち歩けるものは、プラスチック削減に役立つ製品といえます。また、ひとつのものを複数人でシェアできるサービスなども、環境に配慮されているといえるでしょう。
環境に配慮している製品やサービスを見極める方法の一つに、エコマークの有無を確認する方法があります。エコマークは、公益財団法人日本環境協会によって環境負荷が少ないことが認められたサービスや製品のため、製品を選ぶ際に役立ちます。
反対に、根拠なく「環境に優しい」「サステナブル」などと謳う製品やサービスもあるため注意が必要です。企業が、環境に配慮した活動を行っていることを、実際の取り組み以上に消費者に印象づけようとすることを「グリーンウォッシュ」と呼びます。
日本でも、グリーンウォッシュを行ったとされる企業に対し取り締まりが行われた事例があります。購入しようとしている製品が本当に環境に配慮したサービスであるかを判断するには、消費者一人ひとりが環境に関する正しい知識を身につけることが重要です。
ゴミやフードロスの削減を意識する
家庭から出るゴミを少なくしたり、フードロスを防いだりすることもSDGs達成に役立ちます。フードロスとは、賞味期限切れや食べ残しなどによって、まだ食べられるにもかかわらず捨てられてしまう食品のことです。日本のフードロスの多くは家庭で発生しており、1人あたり、1日お茶碗1杯分の量のフードロスが出ているといわれています。
無駄に捨てられた食べ物を焼却処分する際には、二酸化炭素が発生し、環境に負荷がかかります。また、世界中の飢餓に苦しむ人々に分配されるべき食料が、私たちの過剰な消費によって無駄になっていることも問題です。
食料を購入する際は必要以上に買いすぎず、食べ切ることが大切です。また、食材の輸送の際に排出される二酸化炭素を減らすためにも、できるだけ地元で生産された食材を購入するよう心がけましょう。地産地消を意識することは、地元の生産者を応援することにもつながり、持続可能な環境づくりに役立ちます。
再生可能エネルギーを利用する
SDGsの達成を実現するためには、再生可能エネルギーを利用することも有効です。再生可能エネルギーとは、太陽光や風力、地熱などの自然界に存在するエネルギーのことです。化石燃料のように枯渇する心配がなく、利用しても再生できることから、再生可能エネルギーと呼ばれています。
再生可能エネルギーは資源枯渇問題を解決するだけでなく、二酸化炭素をほとんど排出しないため、地球温暖化や気候変動を抑えることにもつながります。一般家庭においても、再生可能エネルギーを使った電力プランに切り替えたり、太陽光発電を取り入れたりすることで、再生可能エネルギーの導入が可能です。
また、企業が再生可能エネルギーを導入する場合は、「PPAモデル」というサービスも活用することで、初期費用をかけずに太陽光発電を導入できます。SDGsへの取り組みを推進していきたいと考えている企業は、ぜひ導入を検討してみてください。
SDGsに貢献したい企業は、アイ・グリッドへご相談を
持続可能な世界を実現するための国際目標である、SDGs。日本ではまだ達成率が高いとはいえず、課題が残る状況です。SDGsを達成するためには、一人ひとりが消費に対する考え方を見直す必要があります。また、一般家庭・企業ともに再生可能エネルギーを導入することもひとつの方法といえるでしょう。
アイ・グリッド・ソリューションズでは、家庭向け(スマ電CO20プラン)、法人向けにそれぞれ再生可能エネルギーの供給事業を行っています。二酸化炭素をほとんど排出しない再エネ電力を活用し、さらに余った電力を地域に循環させる仕組みを構築することで、発電した電力を余すことなく使用することも可能です。ぜひアイ・グリッド・ソリューションズと一緒に、SDGsにおける環境分野の課題に取り組んでいきましょう。
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