サステナビリティとSDGsの違いは?わかりやすく解説

環境問題について知りたいと思った際によく出てくる用語として、サステナビリティとSDGsがあります。それぞれの単語は似ているようで異なる単語のため、正しく理解しておくと仕事や環境活動の際に活かせるでしょう。

本記事では、サステナビリティとSDGsの概要をそれぞれ解説したうえで、違いを解説します。あわせて他の環境用語についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。

サステナビリティとSDGsの違いは?わかりやすく解説

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サステナビリティとSDGsの違いを解説

まずは、サステナビリティとSDGsのそれぞれの用語と、違いについて解説します。

サステナビリティとは?

サステナビリティ(Sustainability)とは、「持続可能性」を意味する言葉です。地球上の資源や自然環境を守り、人々の豊かで平和な生活を維持するための考え方を指します。

サステナビリティを実現するためには、地球温暖化の要因となる温室効果ガスを減らしたり、プラスチックゴミを減らしたりと、企業や個人が環境を守るための対策を行うことが不可欠です。

また、サステナビリティの概念は、環境問題のほかに社会と経済の観点からも捉えられます。社会的な観点とは、人々が人種や宗教、性別などにかかわらず、健康と安全が守られた文化的な生活を送れるようにすることです。例えば、貧困や差別がなく、医療や教育などのサービスを誰もが受けられる機会を提供することなどが挙げられます。

経済的観点とは、長期的に利益を上げ続けるための経営を目指すことです。例えば、すべての人が健全な労働環境で働けることや、環境への負荷が少ない商品を開発・生産することなどがあります。

SDGsとは?

SDGs(Sustainable Development Goals)は「持続可能な開発目標」のことで、上記で解説したサステナビリティを実現するための具体的な目標ともいえます。

人類が今後も地球で長く安心して暮らしていくためには、何よりも地球が破壊されないよう守らなければいけません。SDGsは、地球を守り、人類が安心して暮らしていくための17の目標と、それらを実現するための具体的な169のターゲットによって構成された国際目標です。

SDGsで設定された目標は、2015年9月開催の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に基づいています。2030年までに持続可能な世界を実現するとともに、「誰一人取り残さない」としていることも特徴です。

SDGsは、先進国・発展途上国にかかわらずどの国にも適応される目標であり、それぞれの国や企業、個人ができることに取り組んでいく必要があります。

サステナビリティとSDGsの違いは?

サステナビリティとSDGsは、どちらも持続可能な地球や世界を目指すためのものであることは共通しています。サステナビリティは考え方を表す抽象的な概念であり、その概念を具体的に17の目標や169のターゲットに示しているものがSDGsである点が、両者の違いといえるでしょう。

サステナビリティの概念をわかりやすく可視化したものがSDGsである、とも言い換えられます。

ほかの関連用語も要チェック

サステナビリティやSDGs以外にも、環境に関するワードとして以下の単語を聞いたことがある方もいるでしょう。それぞれの用語について、サステナビリティやSDGsとの関連性も絡めて解説します。

CSRとは?

CSRとは「Corporate Social Responsibility」の略語で、「企業の社会的責任」と訳されます。企業が活動を行う際には、自社の利益を追求するだけでなく、法令を遵守したり、ステークホルダーと良い関係を築いたりしながら、健全な経営を行うことが求められます。情報開示や積極的なコミュニケーションを行うなど、従業員・顧客・株主・取引先などに配慮した経営活動を行わなければなりません。

CSRは、持続可能な企業経営を行うことを意味するため、大きく見ればサステナビリティと同じ考え方といえます。ただし、CSRの主体が企業であることに対し、サステナビリティは個人や国全体を含めた、より広範囲での概念である点で異なります。

また、SDGsが持続可能な状態を実現するための具体的な目標であることに対し、CSRには決まった目標はなく、取り組む内容は自社で選択できる点において異なっています。

ESGとは?

ESGとは「Environment」「Social」「Governance」の略語であり、企業が成長を続けるために必要な3つの観点を表しています。

従来は、企業の価値は財務諸表だけを指標にして決められていました。しかし、昨今は気候変動や人権問題など、多くの社会的な課題が顕著になり、企業が長期的に生き残るためにはESGの観点を取り入れることが重要とされています。

ESGの概念は、2006年に国連が金融業界に対して提唱した「責任投資原則(PRI)」から生まれました。PRIでは、投資家はESGに配慮した企業に投資すべきである、という原則が提示されています。

投資家がESGを考慮した投資を行うことをESG投資と呼び、昨今ではこのESG投資が主流化しています。持続可能性の高い企業ほど投資を受けやすいことから、企業側ではESGを取り入れた経営を行うことが一般的になりつつあります。

ESGはサステナビリティに関連しているだけでなく、ESGに配慮した企業活動がSDGsの達成につながる場合もあるでしょう。

企業がサステナビリティやSDGsを意識した経営を行うメリット

ESG投資でも見られるように、企業がサステナビリティやSDGsを意識した経営を行うことにはいくつかのメリットがあります。代表的なものを3つ紹介します。

企業のイメージアップにつながる

環境問題や社会課題への対策に取り組む企業は、世間や投資家に良い印象を与えられます。社会の改善に向けて前向きに取り組んでいることをアピールできれば、自社のサービスや商品に付加価値がつき、売上の向上につながるでしょう。

他の企業と差別化できるような先進的な取り組みを行い注目されれば、認知度の向上も期待できます。また、労働環境を整え、従業員や取引先などと信頼関係を築ければ、企業価値そのものを高めることもできます。

優秀な人材確保や離職率低下につながる

企業の認知度や信頼性が上がれば、優秀な人材を集められる可能性も高まるでしょう。特に、1980年頃から1990年なかば頃に生まれたミレニアル世代と呼ばれる世代は、環境や社会問題への取り組みに関心が高いといわれています。

社会に貢献でき、自己成長につながる職業を探している若者に対し、サステナビリティやSDGsに取り組む企業は魅力的に映るでしょう。また、労働環境を整備して従業員のモチベーションを維持できれば、離職率が低下することも期待できます。

資金調達がしやすくなる

先述のとおり投資家の間では、ESG経営を行う企業を重視するESG投資が注目されています。環境問題をはじめとする社会課題に積極的に取り組む企業は、投資の対象となりやすく、資金調達がしやすくなることがメリットです。

企業においては、環境に配慮した活動や適切な労働環境の提供、差別をしないことなど、健全な経営を心がけることが大切です。

SDGsやサステナビリティに貢献したい企業は、アイグリッドへご相談を

環境問題について学ぶ際に知っておきたい、2つの用語について解説しました。私たちの生活においても、サステナビリティの考え方やSDGsで掲げている目標を参考に、地球にやさしい生活をぜひ取り入れていきましょう。

アイ・グリッド・ソリューションズでは、環境を壊さない再生可能エネルギーによる電力を地域社会に巡らせる事業を行っています。自社はもちろん、地域を巻き込んで脱炭素のための取り組みを行いたい企業の方は、ぜひアイ・グリッド・ソリューションズまでご相談ください。再生可能エネルギーを取り入れることで、一緒に地球の環境課題に取り組んでいきましょう。

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