ゼロカーボンシティ宣言とは?取り組みや事例について紹介

ゼロカーボンやSDGsなど、企業や個人に環境への配慮が求められるようになりました。都道府県や市区町村も例外ではなく、ゼロカーボンを目指す「ゼロカーボンシティ宣言」をする自治体が増えています。

そこで本記事では、ゼロカーボンシティの定義やメリットについて詳しくみていきましょう。ゼロカーボンシティ宣言をした自治体の実際の取り組みも紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

ゼロカーボンシティとは?定義について

ゼロカーボンとは二酸化炭素の排出量を実質ゼロにすることで、首長の会見や各自治体のホームページなどで「2050年までにゼロカーボンを目指す」と表明した自治体を「ゼロカーボンシティ」といいます。2021年8月時点で、444の自治体がゼロカーボンシティとして表明しました。

現代の社会活動や経済活動において、二酸化炭素を全く排出しないようにするのは不可能です。そこで、排出する二酸化炭素量を減らしつつ、森林などによる二酸化炭素の吸収量を増やすことで「実質ゼロ」を目指しています。

40都道府県や268市がゼロカーボンシティを表明していて、表明した自治体の人口を合計すると1億人を超えます。多くの日本人にとって、ゼロカーボンシティが身近な取り組みであるといえるでしょう。

ゼロカーボンの取り組みが積極的に行われているのは、2015年に合意された国際的な枠組みである「パリ協定」で、温室効果ガスの排出量削減について言及されているためです。途上国を含むすべての参加国に温室効果ガス排出量削減の努力を求めていて、日本だけではなく世界中でゼロカーボンへの取り組みが行われています。

関連記事:バイデン政権でパリ協定復帰、日本はガソリン車禁止に!? 脱炭素社会実現のカギとは? | グリラボ

参考:環境省「地方公共団体における2050年二酸化炭素排出実質ゼロ表明の状況

ゼロカーボンシティを宣言するメリット2つ

ゼロカーボンシティを宣言すると、自治体にとって次のメリットがあります。

  • 環境省から支援を受けられる
  • 地域活性化・地域貢献できる

それぞれのメリットについて、以下で詳しくみていきましょう。

環境省から支援を受けられる

ゼロカーボンシティ宣言をした自治体は、国から優先的に支援が受けられるのがメリットのひとつです。環境省ではゼロカーボンへの取り組みを加速するため、計画立案から設備などの導入まで一気通貫で支援するとしています。

具体的には、次のような支援が受けられます。

  • 自治体の気候変動対策や温室効果ガス排出量等の現状把握(見える化)支援
  • ゼロカーボンシティの実現に向けたシナリオ等検討支援
  • ゼロカーボンシティ実現に向けた地域の合意形成等の支援

引用:環境省「ゼロカーボンシティ実現に向けた地域の気候変動対策基盤整備事

自治体によっては知見・人員の不足や合意形成プロセスの不在といった課題が想定され、取り組みが思うように進められないケースもあるかもしれません。上記の支援を受けることで、ノウハウや人材が十分でない場合でも取り組みが進められます。

地域活性化・地域貢献できる

ゼロカーボンシティを目指すことで、地域活性化や地域貢献につながるというメリットもあります。二酸化炭素の排出量を削減するためには再生エネルギーの積極的な導入が必要で、それによって地域の産業や雇用の創出が期待できます。

太陽光発電や風力発電といった再生エネルギーや蓄電などの設備が整備されれば、自然災害など有事の際でも地域に電力を供給でき、地域貢献にもなるでしょう。

また、地域内総生産に対するエネルギー代金の収支は、9割以上の自治体で赤字という環境省の試算もあります。そこで再生エネルギーを導入すると地域への大きな経済波及効果が期待できるとされていて、比較的少ない行政コストで地域の収益確保ができる点もメリットです。※1

引用:環境省「脱炭素に向けた地方自治体の取組について

※1 参考:環境省「脱炭素に向けた地方自治体の取組について

ゼロカーボンシティの取り組み事例

ゼロカーボンシティを目指して各自治体でどのような取り組みをおこなっているのかみていきましょう。

ここで紹介するのは、次の4つの取り組み事例です。

  • 【避難施設等への再エネ導入】千葉県千葉市
  • 【地域経済への貢献】岡山県真庭市
  • 【交通、廃棄物発電】神奈川県小田原市
  • 【都市と地方の連携】横浜市×東北12市町村

それぞれの取り組みについて、以下で詳しく紹介します。

参考:環境省「2050年 脱炭素社会に向けて

【避難施設等への再エネ導入】千葉県千葉市

千葉県千葉市では、避難施設等への再生エネルギー導入に取り組んでいます。民間企業が初期費用を負担し、千葉市が電気料金を支払う仕組みにすることで、自治体は初期費用を負担せずに太陽光発電設備と蓄電池を導入しました。

発電設備と蓄電池は、避難施設である中学校に設置されています。災害時に停電が起きると太陽光発電と蓄電池から電力の共有をおこない、避難所としての機能を維持できるようにしました。

千葉市では再生エネルギーの導入を積極的に導入していくと宣言していて、2016年度に2.5%だった再生エネルギーの比率を、2030年には7.8%、2050年には15.1%にすることを目標としています。

【地域経済への貢献】岡山県真庭市

岡山県真庭市では、地域資源の循環利用によって地域経済へ貢献しています。真庭市は林業が盛んなことで有名で、木質バイオマスを活用したバイオマス発電を推進しました。地域の木材関連団体とともに「真庭バイオマス発電」を設立し、国内最大級のバイオマス発電インフラを正式稼働させています。

これにより、1億円以上かけて産廃処理していたものを資源として有価で取引できるようになり、山林所有者へ燃料代のうち500円/トンを還元する仕組みを構築しました。

そのほか、災害時に電力を供給できる地域マイクログリッドの導入や、地域に豊富に存在する広葉樹を有効活用する方策などの検討も進められています。

【交通、廃棄物発電】神奈川県小田原市

神奈川県小田原市では、電気自動車を活用した脱炭素型地域交通モデルの構築に取り組んでいます。100台の電気自動車をカーシェアリングで利用できるようになっていて、10ヶ所のステーションから開始し、順次拡大予定です。

電気事業に関する知見・ノウハウを持つ株式会社REXEVと地産電力を供給する湘南電力が連携し、ゼロカーボンとエネルギーの地産地消に同時に取り組んでいます。

また、災害による停電時には電気自動車に蓄えられた電力を利用できるようにすることで、地域の防災機能の強化も期待されています。

【都市と地方の連携】横浜市×東北12 市町村

ゼロカーボンシティは自治体内での取り組みだけでなく、都市と地方が連携して進められているケースもあります。そのひとつが、横浜市と東北の12市町村の連携です。

横浜市は市内の電力消費電力のうち、最大限の省エネ実施で約50%、新技術の活用で約25%、残りの25%を再生エネルギーで補う計画でした。しかし、横浜市の再エネ供給ポテンシャルは2050年の市内消費電力の約8%という試算となり、市内の発電だけでは需要をまかなえません。

そこで、2019年に再エネ資源の豊富な東北12市町村と「再生可能エネルギーに関する連携協定」を結びました。協定を結んでから、連絡会の実施や再エネ電力の購入を進めています。

アイグリッドソリューションズの取り組みについて

最後に、アイグリッドソリューションズの取り組みについてご紹介します。

アイグリッドは、埼玉県内のスーパーマーケット「ヤオコー」において、太陽光発電の余剰電力を有効活用する実証実験に取り組んでいます。スーパーマーケットの店舗に太陽光発電設備を設置し、発電した電力はスーパーマーケット店舗で使用するほか蓄電池や電気自動車に充電します。

AIによって蓄電池や電気自動車への充放電制御を行い、効率的な電力利用を図っているのが特徴です。また、余剰電力をスーパーの他店舗や周辺家庭にめぐらせる「太陽光発電余剰の地域循環ビジネスモデル」の検証も実施しています。

街の生活の拠点となるスーパーマーケットが脱炭素への取り組みに参加することで、地域住民も生活の中で自然と脱炭素への意識が高まっていくでしょう。ゼロカーボンシティ達成のためには、スーパーマーケットなど多くの人が日常的に利用する場所での積極的な取り組みも重要です。

関連記事:太陽光発電余剰の地域循環ビジネスモデルを実現する「R.E.A.L. New Energy Platform™」の実証実験を開始

まとめ

ゼロカーボンシティとは、2050年までに二酸化炭素の排出量を実質ゼロにすることを目指す自治体のことです。多くの自治体が脱炭素に取り組むことを表明していて、世界的枠組みであるパリ協定でもゼロカーボンへの努力が求められています。本記事で紹介したように、自治体の特性を生かした取り組みが進められていて、地域経済の活性化といったメリットも期待されています。

アイグリッドソリューションズは、地域を中心とした脱炭素のソリューションを提供している企業です。太陽光発電の余剰電力を地域に還元するなど、地域循環型モデルの実現を目指し、ゼロカーボンシティ達成を後押しします。

 

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