DR(デマンドレスポンス)実証実験を開始
電力需給ひっ迫対策にご契約者様と共に取り組むナッジを用いた新しい節電活動
菅義偉内閣総理大臣は、2020年10月26日の所信表明演説で「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言しました。また、4月22日の地球温暖化対策推進本部の場でも「日本の2030年度における温室効果ガス排出量を2013年度比で46%削減し、同時に50%(削減)の高みに向けて挑戦を続ける」とも話しました。こうした「脱炭素」は、国内だけでなく国際的にも重要なテーマとなってきており、「SDGs」や「ESG投資」への関心が、一般にも高まってきています。
脱炭素の流れなどから電力会社の火力発電所は縮小傾向にあり、梶山経済産業大臣は、5月14日の会見で「近年、事業環境の悪化などで火力発電の休廃止が相次いでいる」と述べました。
一方、電力の予備率(※1)の面では、最低限必要とされる水準が3%とされる中、経済産業省の見通しでは、7月は3.7%、8月は3.8%(※2)になるとされており、電力の安定供給に支障が出やすい状況です。
このように、需給のひっ迫は「社会問題」となっています。
「自分たちにできることは何か。」
アイ・グリッド・ソリューションズは、“ナッジによる従業員の行動変容”という自発的な節電行動による新しい形でのデマンドレスポンス(以下DR)ができると考え、この社会課題の解決を図るため実証実験を開始します。
具体的には、電力使用量を予測するAIアルゴリズムと行動経済学のナッジ理論を活用したエネルギーマネジメントソリューション「エナッジ®」の省エネ促進機能を活用し、需給ひっ迫の解消に寄与します。
この実証実験には食品スーパーや書店など多様な業種での実証を予定しており8社100事業所に賛同いただいており、2021年7月より順次開始します。
ナッジを用いた行動変容によるDRとは?
まず、ナッジ(Nudge)とは、英語で「そっと後押しする」という意味です。つぎに、ナッジ手法とは「行動科学の知見にもとづく工夫やしくみによって、人々が、人や社会にとってより望ましい行動を自発的に選択するよう促す手法」のことを言います。
この理論を活用しているのが2020年度に省エネ大賞を受賞したアイグリッドのエネルギーマネジメントシステム「エナッジ®」です。
エナッジを活用することで、事業所ごとの電力使用量をAIで予測し、需要を抑制するための具体的な節電行動をガイドすることで行動変容を促し、従業員が自発的に節電することを可能にします。
【電力需給ひっ迫時のアクション】
①「エナッジ®」により従業員に対する具体的な需要抑制行動がガイドされる(図1)
②各事業所の従業員は、「エナッジ®」に表示されたガイド(図1)に沿って行動
③ナッジを用いてごく自然にDRが実施される
今回の実証実験の結果を元に、同じく需給がひっ迫する冬に向け、「エナッジ®」によるDRの賛同企業を増やすと共に、アイグリッドとしてより効果の高い更なる需要抑制策を検討、実現していきます。
また、事業所内の空調機器制御機能を搭載する「エナッジ AiR」も活用し、今後は空調以外の機器のAI制御(蓄電池の充放電等)による自動DRもラインアップに加え、当社子会社であるVPP Japanの太陽光発電の自家消費・余剰流通とも連携しながら、分散電源の有効活用による需給ひっ迫に対応していきます。
今回のDR実証実験は法人企業を対象としていますが、一般家庭向け「スマ電」「スマ電CO2ゼロ」ご契約者様には、省エネ行動を促すための情報提供を行います。
また、「グリラボ」でも省エネ情報を発信することで、企業だけではなく、家庭での節電活動につなげていきたいと考えています。
【グリラボ省エネ情報記事】
▷リモートワークで気になる家の電気代、すぐ実践できる省エネテク【教えて!省エネ部長】
今回アイグリッドが実施するナッジを用いたDRは、人々の意識に働きかけることで実施できるDRです。
アイグリッドはみなさまと一緒に節電活動に取り組み、これまで培ってきた技術・ノウハウを集約させることで、電力需給ひっ迫という喫緊の社会課題に対応するだけでなく、今後のさらなる電力需給調整力に活用していきたいと考えております。
※1供給の余力がどれぐらいあるか
※2北海道・沖縄を除く全国8エリア 経済産業省(https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/pdf/035_03_01.pdf)
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