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デザイン性も機能性も追求!未来の家族に贈るサステナブルな住宅

「日本の住宅寿命は大体30年」と一般的に言われています。

国土交通省によると日本の滅失住宅の平均築後年数は32.3年で、海外と比較して極端に短いことが発表されています。住宅寿命が短い理由としては、日本では新築住宅が好まれること、生活水準の向上に応じて住宅の更新を行ってきたことが挙げられます。高度経済成長によって急激に住宅の供給量が求められた社会情勢においては、新築住宅が主流でした。

そうした中、自然由来の日本の伝統的素材を用いながら最新の技術を取り入れたサステナブルな住宅があります。

今回はサステナブルな住宅を設計し、100年住宅として持続可能なライフスタイルを実現させているケンゾー&エリン株式会社 代表取締役社長の山本譲司さんにインタビューいたしました。サステナブルなライフスタイルにご興味のある方、長寿命の住宅を考えていらっしゃる方に参考になる内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

参考:国土交通省|我が国の住宅ストックをめぐる状況について(補足資料),長持ち住宅の手引き

100年住宅「K&E CASA」は家族・環境・財布に優しい家

100年住宅の普及を推進する「K&E CASA(ケー アンド イー カーサ)」は、「未来の家族に贈る家」をコンセプトに、サステナブルなライフスタイルを提案する事業です。

K&Eは社名のケンゾー&エリンを指し、子どもたちの存在を象徴しています。CASAはイタリア語で「家」や「巣」を意味し、『子どもたちの未来を目的地に、子どもたちが育つ温かな「巣」としての家庭を実現する家』という願いが込められているそうです。

100年住宅の実現には、飽きのこないデザインと機能性の両立が必要となります。そのためK&E CASAは、ハウスビルダーとお客様を繋ぐ「プロ施主」として理想の住まいづくりをお手伝いされています。直観的な快適性を追求しながらも、その真髄はあくまで論理的。住宅のエネルギー自立に対する専門的知見を元に、世界中のテクノロジーを取り入れることで高品質な住宅が提供できるのです。

本記事ではK&E CASAのサステナブルな暮らしを実現するための特徴を大きく4つピックアップしてご紹介いたします。

①太陽光発電と漆喰の融合

デザインを行う上で、「人工物はきちんとデザインされたものでなければ、いずれ廃れゴミになってしまう」と山本さん。K&E CASAは太陽光パネルに馴染む黒の金属屋根と漆喰を用い、日本の伝統的な建築様式を現代版にアレンジしています。長持ちする素材とシンプルで飽きのこないデザインにすることで、経年変化を楽しめる家になるよう設計されています。

②高断熱による快適な生活空間

K&E CASAは断熱性能、気密性能、換気性能に優れ、冷暖房に必要なエネルギーコストを抑制できるような工夫が凝らされています。たとえば、神奈川県横浜市のモデルハウスの場合、真冬にエアコンを設定温度20度で運転後、夜22時から朝4時までオフにしても、明け方の室内温度が概ね18度を下回ることがありません。これらは日本の高性能断熱材やスウェーデンGADELIUS社の高断熱玄関ドアなど世界中の技術を採用することで実現していますが、これらは全て特注品ではありません。優れたテクノロジーを持つ既製品を活用することによって、機能性に対する高いコストパフォーマンスを実現しています。

③エネルギー自給

屋根には太陽光パネル、外壁には蓄電池を設置し活用しています。住宅の燃費性能(※)を高めることで、冷暖房エネルギーを抑制することと合わせて、1年を通して家族が使用する電力を賄える家づくりを推進しています。山本さんは、住宅の低燃費化とエネルギー自給、EVシフトを合わせることで「エネルギーにおける個人レベルでの脱炭素化は既に可能だ」と語ります。

※住宅の燃費性能:自動車と同様にその建物の冷暖房に必要なエネルギーコストのこと。断熱性能、気密性能、換気性能を改良することで、低燃費化することができます。

④ユーザー視点の「目利き機能」

家族が暮らしやすいデザインや機能をユーザーが全て理解し、選択することは簡単ではありません。なぜなら企業は常に市場原理に追従せざるを得ないため、ユーザーのメリットを最大化する提案を行うことは困難なのです。K&E CASAでは第三者の立場からユーザーが賢明な選択ができるようサポートを行います。

間取りもデザイン重視でありながら、使い勝手が良く、家族が自然と互いに顔を合わせられるような設計がされています。100年先まで使ってもらうためには、家族とのコミュニケーションは欠かせない、という思いが込められています。

山本さんは「K&E CASAはこれら4つの特徴を踏まえ、エネルギー自給と活発なコミュニケーションの両立を目指した結果、環境・財布・家族に優しい家になった」と教えてくれました。最先端のカーボンニュートラルライフに興味のある人、気に入った土地で孫の代まで持続可能な暮らしを実現したい人、などにおすすめです。

太陽光発電設備、蓄電池、EV(電気自動車)の導入メリットは数値的根拠に基づく必要がある

家庭でのカーボンニュートラルを進めるにあたっては、太陽光発電設備、蓄電池、EV(電気自動車)は必要不可欠。そこには4つの価値があると語ります。

・災害時のレジリエンス

・エネルギー自給

・脱炭素

・経済合理性

これらの価値は漠然とした知識として認識されていることが多く、山本さんは「数値的エビデンスを示すことで、有用性は確実に実感できる」と仰います。

実際に山本さんはTeslaアプリを用いることで、自宅に設置した太陽光発電量や蓄電量、消費電力量についてトラッキングを行い、脱炭素の実現性や経済性について数値に基づいて実証しています。

■太陽光パネル発電量や消費電力量についてTeslaアプリからの抽出したデータ

EVとガソリン車 走行コストにおける経済合理性計算

ここではテスラのEVエントリーモデル「Model3 RWD」とガソリン普通車を500km走行させた場合を例に比較します。

Model3 RWDの国土交通省審査の交流電力消費率は127Wh/kmとなっているので、これを500km走行させるとすると、必要な消費電力は127Wh/km×500km=63500Wh(63kWh)なります。電力単価が30円/kWhと仮定した場合、EV車で500km走行するために必要なコストは63kWh×30円/kWh=1,890円です。

ガソリン普通車の一般的な燃費は8km/L~20km/Lなので、ここでは15km/Lと仮定します。これを500km走行させるとすると、必要なガソリン量は500km÷15km/L≒33Lとなります。ガソリン代を160円/Lであるとき、500km走行するために必要なコストは33L×160円/L≒5,280円となります。

以上より、ガソリン普通車からEV車に乗り換えることで得られる経済的メリットは(5,280円-1,890円)÷5,280円≒0.642となり、約64%offのコストパフォーマンスであるということができます。

EV車の走行コストの他に、蓄電池による充電放電ロスや毎日の生活の実自給率などを日毎に算出していて、現在のところ実自給率は85%を超えています。日中の使用電力は太陽光発電で賄い、余った電力は売電するよりも蓄電池、EVへ充電、夕方以降は蓄電池から放電することで実自給率を高めています。

K&E CASAをプロデュースしたケンゾー&エリン株式会社とは?

ケンゾー&エリン株式会社は「未来はいつもこどもたちのためにある」という想いで、サステナブルな世界への修復を行う会社です。K&E CASAによる住宅事業の他にも以下の領域も展開しています。

・K&E SOLE(エネルギー事業)自立分散型電源インフラの整備(EPC/PPA)

・K&E CIBO(医食事業)有機農産物の普及とヘルスケアソリューションの開発

・K&E PACE(教育事業)子どもたちが自ら考える「生きる力」を養成するプログラム開発

太陽光パネルメーカーのインリー・グリーンエナジージャパンの元社長でもある代表の山本譲司さんは、太陽光発電事業領域を超えて持続可能な循環型地域コミュニティの修復のためにケンゾー&エリン株式会社を立ち上げました。これまでのあらゆる縁を繋ぎながら、地域の民間企業や地方公共団体を巻き込んだ脱炭素化プロジェクトを推進しています。

山本さんは今後の目標について次のように語ります。

「私は決して意識が高いわけではなく、自ら挑戦することで合理性を実感し、確かな根拠に基づき本当に良いと思ったことを展開しているだけです。挑戦の数だけ失敗も重ね、良いものを選ぶ目利き能力も磨かれてきました。みなさんにもK&E CASAを実感していただいて、サステナブルなライフスタイルの良さについて触れていただきたいです。」

「長期的には真善美をモットーに世界により多くの調和をもたらす会社を目指しています。人工物はできる限り美しくデザインされたものに変え、自然と街並みを調和させていきたいです。お金やテクノロジーは手段に過ぎないことを念頭に、人間の幸せ、家族の幸せを大目的として6者のステークホルダー(顧客・パートナー・従業員・地域コミュニティ・自然環境・株主)の持続可能な繁栄のために自分の時間を割きたいですね。」

▷ご協力

ケンゾー&エリン株式会社 代表取締役社長 山本譲司さん

本店/〒107-0061 東京都港区北青山3-6-7 青山パラシオタワー11F

横浜本社/〒225-0015 神奈川県横浜市青葉区荏田北1-2-1 platform207

 

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