GXユニコーンとは?ユニコーン企業の概要やGXの意味も解説
地球温暖化問題に積極的に取り組む企業の中に、GXユニコーン企業と呼ばれる属性があります。ユニコーン企業は聞いたことがあっても、GXユニコーン企業は聞いたことがない人もいるのではないでしょうか。
本記事では、GXユニコーンの概要や対象企業について詳しく解説します。そもそもユニコーン企業やGXとはどのようなものなのかについても併せて解説しているので、環境問題に関心のある人や、地球温暖化対策を進めたい企業の担当者はぜひ参考にしてください。
そもそもユニコーン企業とは?
ユニコーン企業とは、企業評価額が10億ドル以上の企業のうち、設立から10年以内のスタートアップ企業をさします。また、非上場企業であること、テクノロジー関連の企業であることも条件です。2023年9月時点では、世界で1,200社以上が存在しています。
ユニコーン企業という言葉は、アメリカの投資会社「カウボーイ・ベンチャーズ」の創業者であるアイリーン・リー氏が提唱した概念で、2013年に誕生しました。当時は設立から10年以内で企業評価額が10億ドルある企業は珍しかったため、伝説上の動物になぞらえてユニコーンが使われています。
日本で初めてユニコーン企業になったのは、2013年に設立されたフリマアプリで有名なメルカリです。2018年に東証マザーズに上場するまでは、日本で数少ないユニコーン企業として名を馳せていました。
世界で1,200社以上あるユニコーン企業ですが、日本におけるユニコーン企業は7社程度と少ないのが現状です。ユニコーン企業で一番多いのはアメリカ、ついで中国、その後にインド、イギリスと続いています。
ユニコーン・デカコーン・ヘクトコーンの違い
ユニコーン企業の他に、デカコーン企業やヘクトコーン企業と呼ばれる分類も存在します。ユニコーンが企業評価額10億ドル以上であるのに対し、デカコーンは100億ドル以上、ヘクトコーンは1,000億ドル以上と定義されています。
ユニコーンのユニには単一の意味があり、そこから派生して10を意味するデカは10倍の100億、100を意味するヘクトは100倍との考えから名付けられているのが特徴です。デカコーン企業やヘクトコーン企業は世界的にも珍しく、日本には2023年9月時点では存在していません。
ユニコーン企業の世界ランキング
2023年9月27日時点の、世界のユニコーン企業ランキングは以下の通りです。
- Bytedance/中国
- SpaceX/アメリカ
- SHEIN/シンガポール
- Stripe/アメリカ
- Databricks/アメリカ
- Canva/オーストラリア
- Revolut/イギリス
- Epic Games/ アメリカ
- Fanatics/アメリカ
- OpenAI/アメリカ
日本では、ディープラーニングの研究や開発を行うPreferred Networksが463位、ニュース配信アプリを提供するSmartNewsが464位、労務管理クラウドサービスを提供するSmartHRが593位、その他にも数社がランクインしています。
参照元:CBINSIGHTS
日本にユニコーン企業が少ない理由
日本にユニコーン企業が少ない大きな理由は、ベンチャーキャピタル(VC)の投資額が少ないことが挙げられます。ベンチャーキャピタルとは、将来成長が見込まれる未上場のスタートアップ企業やベンチャー企業に対し、投資を行う会社やファンドのことです。
スタートアップ企業では初期段階で多くの資金が必要となるケースが多く、その大きな手助けとなるのがVCです。日本ではVCから資金を調達するハードルが高く、投資額はアメリカの1%にも満たないといわれています。資金調達方法として上場を選択する企業が日本では多く、その結果ユニコーン企業が少ない現象が発生しています。
また、日本ではそもそも起業する人が少ないという点も、ユニコーン企業が少ない理由の一つです。その要因として、失敗を恐れる傾向にあることや起業家に対する社会的評価が低いことなどが関係していると考えられています。また、大手企業に人材が集中し、起業する人材が不足していることも原因だといえるでしょう。
世界中でユニコーン企業が増え始めた背景
一方で、世界のユニコーン企業の数は増加傾向にあります。ユニコーン企業が増えている背景には、資金調達がしやすくなったことや、事業立ち上げにかかるコストが減少したことなどが挙げられます。
従来は、上場して新規株式公開(IPO)を行うことが資金調達の一般的な方法でした。しかし現在はVCが発展したことで、上場せずとも資金を調達できるようになり、2021年にはアメリカのVC投資額は過去最高の3,153億ドルを記録しています。
また、IT技術の進化により起業や事業立ち上げにかかる初期コストが減少したことも、ユニコーン企業が増えている理由として挙げられます。初期コストが少ないIT業界は変化も激しく、急成長が見込まれることから、ユニコーンになれる可能性が高くなっているといえるでしょう。
参照元:JETRO
GXユニコーンとは?GXの意味や対象企業を解説
GXユニコーンとは、脱炭素社会へ取り組む企業のうち、急成長している起業をリストアップしたものです。以下で、GXの意味やGXユニコーン企業について詳しく解説します。
GXとは脱炭素社会に向けた取り組みのこと
GXとはgreen transformation(グリーントランスフォーメーション)の略称で、脱炭素の取り組みを通じて、経済社会システムを変革させ、持続可能な成長と産業競争力向上の両立を目指していくことです。GXは2050年のカーボンニュートラル実現に向けて経済産業省が提唱したもので、地球温暖化による気候変動や異常気象の抑制などを目的としています。
具体的には、化石燃料の使用を減らし、太陽光や水素などのクリーンエネルギーを活用することで二酸化炭素の排出量を減らそうとするものです。
GXは、地球温暖化問題の解決はもちろん、国際社会におけるカーボンニュートラルへの転換の風潮、政府の重点投資分野の一つになっていることなど、さまざまな理由から注目を集めているのです。
GXユニコーンは脱炭素分野で急成長している企業をリスト化したもの
GXユニコーンとは、脱炭素分野で急成長している世界のスタートアップ企業をリストアップしたものです。アメリカのCBインサイツが分類した4つの企業群「水素テック」「再生可能エネルギー」「脱炭素テック」「エネルギー貯蔵(電池関連)」のうち、以下の条件を満たす企業が掲載されています。
・2019年から現在まで資金調達実績がある
・累計資金調達額が1億ドル以上ある(「脱炭素テック」は5,000万ドル以上)
累計調達額順に200社を掲載しており、リストには企業評価額が10億ドル以上であるユニコーン企業はもちろん、今後ユニコーン企業になり得る有力候補も含まれています。
GXユニコーン企業には日本企業もリストアップされている
GXユニコーン企業とは、GXユニコーンにリストアップされている企業のことです。2023年9月時点で221社がリストに掲載されており、そのうち124社をアメリカの企業が占めています。
日本の企業では2社のみがリストアップされており、アイ・グリッド・ソリューションズの子会社であるVPP Japanが、日本で初となるGXユニコーン企業に選ばれています。もう1社は、核融合反応を促す主要装置の開発や研究を行うKyoto Fushioneeringです。
世界では、リチウムイオン電池を推進するアメリカのRivianやスウェーデンのNorthvolt、蓄電技術のSK Onなどがトップにランクインしており、中には資金調達額100億ドルを超えるデカコーン企業も存在しています。
VPP JapanはGXユニコーン企業としてGXのはじめの一歩を提供
今後脱炭素社会に向けた取り組みを推進するための重要な役割を担うGXユニコーン企業は、いま世界中で注目を集めています。アイ・グリッド・ソリューションズの子会社であるVPP Japanは、まだまだ国内では数少ないGXユニコーンの1つであり、今後も太陽光発電事業を中心にGXを推進していきます。
VPP Japanの主な事業は、オンサイトPPAです。企業が所有する施設の屋根上全面に太陽光パネルを設置し、そこから発電される電気を自家消費につなげます。余った電力は地域に循環でき、エコな街づくりに貢献する企業ブランディングにつなげることもできます。
GXに取り組みたくてもどうしたら良いかわからない場合は、ぜひはじめの一歩としてVPP JapanのオンサイトPPAを検討してみてください。
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