知識

「メガソーラー」とは?企業の注目を集めるシステムのメリット・デメリットについてご紹介

近年、環境保護や災害時の発電源として注目され、導入が進む太陽光発電。郊外に大量のソーラーパネルが並ぶ景色を見たことがある方も多いのでは?それらは「メガソーラー」という、数ある太陽光発電のシステムの一種ですが、ソーラーパネルを用いた小規模の太陽光発電とどのように違うのでしょうか。今回は、メガソーラーとは?といった疑問を解消する解説から、メリット・デメリット、事例までご紹介します。

企業が注目!政府も推進する事業「メガソーラー」とは?

■そもそも「メガソーラー」ってどんなシステム?
「メガソーラー」とは、1,000kW以上の発電量を持つ太陽光発電システムのこと。通常、家庭で用いられるソーラーパネルの発電量は10kW未満なので、100世帯近くの電力をまかなえる量を発電している計算になります。

これほど規模の大きな太陽光発電を行うには広い土地が必要になります。そのため、広い土地や建物を保有する企業や地方自治体などが導入を行っています。収益性があることや、土地さえあれば比較的導入しやすいこともあり、企業がこれまでなかなか有効活用できなかった遊休地などを利用するケースが多くなっています。

■政府の支援制度により、長期的な収益が見込める
メガソーラーをはじめとする再生可能エネルギー事業は政府でも注目されている事業のため、導入支援制度なども充実しています。その中でも、企業や自治体のメガソーラー導入を後押しした制度が「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)」です。

FIT制度は、再生可能エネルギーを利用して得た電力を、電力関連企業が、定められた年数の間、常に同じ金額で買い取り続けることを政府が保証するシステムのことで、この制度を利用すると、長期間の安定した収益が期待できます。2021年度の買い取り金額は、提供する余剰電力が10kW以上50kW未満で1kWhあたり12円、50kW以上250kW未満で1kWh11円となっており、買い取り続ける期間は20年間と定められています。
このFIT制度によって再生可能エネルギー事業の収益性が担保され、多くの企業が参加しました。中でもメガソーラー事業は発電量も大きく、収益性が良いため、広大な工場や、持て余していた遊休地を持つ企業がこぞってメガソーラー事業に参加しました。

さらに、2022年4月からは250kW以上を提供する企業を対象に「フィードインプレミアム(FIP制度)」がスタート。この制度はFIT制度と同じくベースとなる基準価格が定められていることに加え、実際の市況を反映した参照価格も定められており、この基準価格と参照価格の差を「プレミアム(補助金)」として受け取ることができます。つまり、市場での価格によってはFIT制度よりも多い金額を受け取れる可能性のある制度というわけです。

「メガソーラー」を設置できる場所とは?遊休地や屋根の上など、未活用の場所を有効利用できる

■「メガソーラー」が設置できる場所ってどんなところ?
大量の電力を発電する「メガソーラー」を設置するには広大な土地や敷地が必要です。一般に、1,000kW以上の太陽光発電を行うには約2ヘクタールもの面積、つまりサッカー競技場の2倍もの面積が、メガソーラーを運用するのに必要と言われています。

これだけの広大な土地を探すのは難しいと思うかもしれませんが、メガソーラーはメンテナンスのために人を常駐させる必要がありません。そのため、移動に時間がかかるような郊外での運用も可能です。例えば、利便性の問題で持て余していた遊休地など、活用できていなかった資産をメガソーラーの設置場所に宛てることができます。また、建物の屋根や壁といった、未活用の場所を有効に利用することも可能です。

注意点としては、日照時間などをはじめとした周辺環境の確認が必要な点が挙げられます。
太陽光を利用するため、日照時間によっては思ったよりも収益が見込めないことがあるほか、外気にさらされるため、積雪や強風、塩害などは故障の原因となることがあります。
また、景観や災害リスクなどの観点から、メガソーラーの設置場所について規制を設けている自治体もあるので、事前に確認が必要です。

自然環境に対する備えは必要なものの、このように、メガソーラーを設置することで、今まで活用できていなかった・利用できると思っていなかった資産を使い、利益を生むこともできるのです。

メガソーラー

「メガソーラー」のメリット・デメリットを知って、賢く活用しよう

メガソーラーには、長期的に安定した収入が得られる、未利用の土地を有効に活用できるといった点のほかにも、多くのメリットがあります。

■メリット1:再生可能エネルギーの中でも設置場所を探しやすい
太陽光のほかにも再生可能エネルギーは多々ありますが、風力や水力、地熱などは発電できる場所が限られています。対して、メガソーラーは、設置面積と日照時間が十分であれば発電できるので、設置場所を探しやすいと言えます。

■メリット2:税金・金融面での優遇措置を受けられる
メガソーラーをはじめとする再生可能エネルギーには、税制や融資などの優遇措置が用意されています。代表的なものをご紹介します。

・「環境・エネルギー対策資金」(日本政策金融公庫)
太陽光関連の事業に対して、基準より低い金利で融資を受けることができます(融資限度額7,200万円、返済期間20年以内)。

・「グリーン投資減税」
メガソーラーなど再生可能エネルギーの設備を購入・設置して一定条件を満たすと、特別償却が可能に。中小企業の場合は、7%の税額控除を受けることもできます。

そのほか、災害時には非常電力として活用できる、環境問題に貢献していることで会社のイメージアップに繋がるなど、さまざまなメリットが期待できます。

■デメリット1:メンテナンス費がかかる
メガソーラーは、普通の太陽光発電よりパネルの量も多く、設置している面積も広大に。除草やパネルの清掃、点検や防犯システムの用意など、年間あたりの維持にかかるコストは設置費用の0.3~0.7%ほど。発電量が1,000kW程度のメガソーラーだと、年間70万~155万円ほどかかる想定です。

■デメリット2:災害による故障のリスクがある
塩害や風雪のほか、土砂崩れや台風などにより、パネルが壊れる・流されるといったリスクもあります。一つ二つ故障しただけでは全体の電力量には影響しませんが、大量に壊れてしまった時は、長期間の電力ロスが生まれるだけではなく、修理コストもかさみます。

保険料は、1,000kWのメガソーラーで年間33万~111万円ほど。設置場所の特性も踏まえて、検討が必要でしょう。

ほかの再生可能エネルギーと比べて設置場所の選択肢が多く、長期間の安定収益が見込めるメガソーラー。最近では、陸上だけでなく水上にも設置しようという動きも出てきているそう。まだまだ進化していくメガソーラーに、今後も注目してみてください。

アイグリッドグループのVPP JAPANでは、既存施設の屋根に太陽光パネルを設置することで、山を切り崩すことなく森林を守りながら太陽光発電の拡大を促進しています。また、投資負担なしで自家消費型発電設備を導入し、発電した電力を施設に直接供給することで安価で地球環境にやさしい電気を使うことができます。メガソーラー設置のための土地がない、でも施設の屋根は空いている、そのような場合はぜひVPP JAPANにご相談ください。

▷関連記事

ソーラーパネルは導入するべき?産業用ソーラーパネルによる太陽光発電のメリット・デメリット

FIT制度(固定価格買取制度)とは?【みるエネルギー辞典】

VPP(バーチャルパワープラント)って何?導入のメリットから事例までご紹介

▷グリラボSNSのフォローお願いします!!

Twitter @gurilabo

▷アイグリッドグループ

シェア