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EVの急速充電とは?料金や充電時間、探し方まで徹底解説

維持コストの安さや環境への配慮から、日本でもEVの普及が浸透しつつあります。しかし、EVは充電に時間がかかることや長距離走行が難しいことなど、懸念点もいくつか存在するのが実情です。

本記事では、EVのデメリットを改善する方法のひとつである、急速充電について解説します。急速充電器を設置して集客につなげたいとお考え方にも役立つ内容なので、脱炭素経営を目指している企業の方もぜひ最後までご覧ください。

EV(電気自動車)の急速充電とは?

EV急速充電とは、短時間でEVを充電できる充電方法です。EVは一般的に、充電に時間がかかることや、ガソリン車と比較するとあまり長い距離を連続で走行できないことなどがネックになりがちです。しかし、急速充電を使用して短時間で充電できれば、これらのデメリットを解消できるでしょう。

急速充電では、出力によって異なるものの、一般的にバッテリーを80%まで充電するために必要な時間は15〜30分程度といわれています。短時間で充電を完了できるぶん、電力を大量に消費するため、主に高速道路のサービスエリアや大型商業施設などの公共充電スポットに設置されています。

EVの急速充電と普通充電の違いは?

EVの急速充電と普通充電の異なる点として、充電時間のほか、料金や設置場所、出力などが挙げられます。それぞれの項目を比較してみましょう。なお、充電時間や料金などの数値はあくまで目安であり、環境によって異なるため参考程度にしてください。

・充電時間

急速充電:30分程度

普通充電:8時間以上

・充電料金

急速充電:30〜100円/分

普通充電:3〜4円/分

・電源の種類

急速充電:10kW〜150kW

普通充電:3kW〜6kW

・出力

急速充電:直流電源

普通充電:交流電源

・充電場所

急速充電:高速道路のSA・PA、自動車ディーラー、道の駅、コンビニなど

普通充電:自宅、宿泊施設、商業施設、病院、コインパーキングなど

急速充電は短時間で充電できる分、設置場所が限られていたり、料金が高かったりする特徴があります。急速充電を頻繁に利用する場合は、あらかじめ設置場所を把握しておくと便利です。

EVの急速充電を利用するメリット

EVを急速充電できる環境があれば、EVのデメリットを解消しながら快適なカーライフを送ることが可能となります。例えば、短時間で気軽に充電できることで、長距離運転がしやすくなる点です。

EVは、ガソリン車と比較するとバッテリーを満タンにした状態であってもあまり長い距離を走れません。バッテリー容量や車種にもよりますが、一度の充電で300〜600kmが走行の上限とされるEVが多い傾向にあります。EVの普通充電は8時間以上時間がかかることを考えると、1日で県外への移動など長距離を運転することはなかなか難しいでしょう。

しかし、急速充電なら約30分で80%程度を充電でき、休憩のついでに多くの充電をすることも可能です。道の駅や高速道路のサービスエリアなどに立ち寄った際にこまめに充電できれば、EVでの遠出も難しくなくなります。

また、事故や渋滞に巻き込まれた際に意図せず電欠が起こることも考えられます。急速充電ができれば、不測の事態にもある程度柔軟に素早く対応することが可能です。

EVの急速充電を利用するデメリット

EVの急速充電はメリットの大きい方法ですが、デメリットや難点もいくつか存在します。主なものを3つ紹介します。

普通充電よりも設置場所が少ない

EVの充電スポットは普及しつつあるものの、急速充電ができる場所はまだまだ少ないのが現状です。経済産業省が公表しているデータによれば、2023年3月時点で普及している充電インフラの約30,000基のうち約21,000基が普通充電で、急速充電は全体の3分の1である約9,000基に留まっています。急速充電が可能な施設が少ないことがうかがえるでしょう。

また、同データが示している急速充電器の設置場所とそれぞれの設置台数は以下の通りです。

・自動車ディーラー:約3,500基

・コンビニ:約1,000基

・高速道路:約550基

・道の駅:約800基

・商業施設:約800基

・宿泊施設;約70基

・その他:約1,200基

急速充電を設置している場所の40%以上が自動車ディーラーであることも含め、急速充電を使いたくても使えないシーンが実際には多いと考えられるでしょう。

参考:経済産業省

バッテリーに負荷がかかりやすい

急速充電は短時間に多くの電力を供給する性質上、どうしてもバッテリーに負荷がかかりやすい側面を持っています。バッテリーに負荷がかかり高温になると劣化が早まるため、バッテリー交換のコストが上がる可能性が高まります。

急速充電は常に活用するのではなく、急いで充電したい場合に限って使用するほうが懸命です。基本は家庭で充電をおこない、長距離移動の際など、必要なときのみ急速充電を活用すると良いでしょう。

充電料金が高い

先述したように、急速充電は普通充電よりも料金が高く、10倍程度、もしくはそれ以上の金額になることがあります。急速充電はそのぶん短時間で多くの充電ができるため料金に見合っているとも考えられますが、時間に余裕がある場合は普通充電でまかなうことで節約につながるでしょう。

急速充電はコスト面においても、必要な場面でのみ使用し、普通充電と使い分けをすることが損をしないためのポイントといえます。

EVの急速充電はどこで見つけられる?探し方は?

EVの急速充電施設は、走行中の電欠を防ぐためあらかじめ充電器の設置場所を把握しておくと安心です。とくに、一度の充電でまかなえない距離を走行する際は、必ずチェックしておきましょう。

急速充電の設置場所は、「e-Mobility power」や「GoGoEV」などの充電スポット検索サイトを活用すれば簡単に見つけることができます。その他にもさまざまな充電設備検索サービスがリリースされているので、使いやすいものを探してみてはいかがでしょうか。

また、急速充電とひとくちにいっても、機器によって容量は異なります。一般的に、滞在期間が短いコンビニやファーストフード店では20〜30kWの設備が、滞在期間が長くなりやすい大型商業施設などでは大容量の設備が置いてある場合が多いため、参考にしてみてください。

EV急速充電のやり方は?

EV急速充電は、初めての場合やり方がわからず、手こずってしまうこともあるでしょう。参考までに、急速充電の手順を以下に紹介します。

①指定されたスペースにEVを止める

まず、充電設備の決められたスペースにEVを停めます。シフトポジションをパーキングにして、車のメインスイッチを切りましょう。スイッチを切り忘れるといつまでも充電されないため、必ず確認するようにしてください。

②EVに充電コネクタを接続する

EVの充電口を開け、急速充電器のケーブルの充電コネクタと充電口を接続します。EVには基本的に、普通充電用のコネクタと急速充電用のコネクタがあるため、必ず急速充電用とつながっているかどうかを確認しましょう。

③支払い方法を選択し、充電を始める

充電器の案内にしたがって料金の支払い方法を選択し、充電を開始します。急速充電の支払い方法は、自動車メーカーや充電サービス会社が発行しているクレジットカードで支払うのが一般的です。

④充電コネクタを抜いてEVの充電口を閉める

充電が完了したら、充電コネクタをEVから外して元の位置に戻します。最後にEVの充電口を閉めたら完了です。

EV急速充電は高い利便性と脱炭素につながる重要なサービス

脱炭素社会の実現を目指すためには、EVの普及を加速させることもひとつの方法です。EVを普及させるためには、充電設備を整えて利便性を向上させることが大きなポイントとなるでしょう。とくに急速充電は今後重要なサービスになっていくと予想されます。

アイ・グリッド・ソリューションズでは、再生可能エネルギーを活用した店舗向けのEV急速充電サービス「R.E.A.L EV Charger」を提供しています。脱炭素に貢献しながら来店のきっかけを創出し、企業価値の向上にも役立てることが可能です。

また、アイ・グリッド・ソリューションズでは、発電した電力を地域全体で余すことなく活用するテクノロジーを持っており、より幅広く環境問題に貢献できることも特徴です。急速充電サービスをはじめ、脱炭素経営を加速させたいと考えている企業の方は、まずはアイ・グリッド・ソリューションズに相談してみてはいかがでしょうか。

 

 

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