サーキュラーエコノミー促進への動き【フランス】

地球温暖化、気候変動、カーボンニュートラルなど、環境問題やその対策に関するニュースが話題にならない日はないほど、誰にとっても身近な問題となりました。

私たちの生活の中でも自然と地球環境に良いことを意識するようになり、例えばプラスチックごみを出さないようエコバッグを持ち歩いたり、マイボトルを持参したりすることが当たり前になりました。

今回はモノを破棄せず、長く使い、再利用する考え方「サーキュラーエコノミー」について解説しながら、フランスの「サーキュラーエコノミー」に関する取り組みについてご紹介します。

サーキュラーエコノミーとは

サーキュラーエコノミー(Circular Economy)は、「循環型経済」という経済活動モデルのことです。

資源・エネルギー・食料需要の増大、廃棄物の増加、気候変動等の環境問題の深刻化が世界的な課題となり、従来の「大量生産・大量消費・大量破棄」といった一方通行の「直線型経済」(リニアエコノミー)から、循環型の経済活動モデルへの転換が求められるようになりました。

サーキュラーエコノミーは、経済活動のなかで資源の消費を抑え、有効活用して価値を最大化することです。あわせて、中長期的な成長を目指し、事業活動の持続可能性を高めることを狙いとしています。このモデルは、欧州をはじめ世界各国でサーキュラーエコノミーへの転換が推進されており、様々な施策が打ち出されています。

世界で先駆けてサーキュラーエコノミーに取り組むフランス

フランスでは2020年4月にサーキュラーエコノミー促進のための法律を公布し、廃棄を禁止するために製品への具体的な規制が制定されています。

2021年より段階的に使い捨てプラスチック利用を禁止し、2040年までに使い捨てプラスチック容器・包装の販売停止を掲げています。

また、廃棄物削減のため、衣類、靴、美容製品、本、家電製品などの売れ残り商品の焼却や埋め立ては原則禁止となり、寄付やリサイクルしなければならない、さまざまな規定があります。

(参考)https://www.vie-publique.fr/loi/268681-loi-10-fevrier-2020-lutte-contre-le-gaspillage-et-economie-circulaire

https://www.amita-oshiete.jp/qa/entry/015544.php

モノを捨てずに直す「修理可能性指数」を製品に表示

フランスでは、2021年1月から電気・電子機器に「修理可能性指数」の表示を義務付けました。これはモノを捨てずに修理して長く使うための取り組みで、製品の修理のしやすさを「0」から「10」の10段階で表示し、消費者が修理のしやすい製品を選択することが可能になりました。スペアパーツの価格、入手可能期間、分解できるかどうかなどいくつかの基準があり、2021年1月以降、洗濯機の約80%、スマートフォンの85%以上、テレビの65%以上、コンピューターの約50%に表示されています。

(参考)https://www.ecologie.gouv.fr/vers-plus-reparation-des-objets-du-quotidien-ministere-transition-ecologique-lance-campagne

※洗濯機、電動芝刈機、テレビ、パソコン、タブレット、スマートフォン

サーキュラーエコノミーに対するフランス国民の意識は高く、フランス人の約85%が製品を交換する前に修理を検討しており、「壊れてしまったから新しいものに買い替えよう」ではなく、「まずは修理してみよう」という考え方が浸透してきています。

日本に伝わるもったいない精神

日本には昔から「もったいない」という言葉があります。「もったいないから残さず食べなさい」「もったいない、まだ使えるから取っておきなさい」と、親から子へもったいない精神が受け継がれてきました。

このモノを大切に長く使う精神こそが、今世界中で取り組もうといているサーキュラーエコノミーの原点ではないでしょうか。「モノを大事にする」ことは、「地球の資源を大事にする」ことと同じです。資源を無駄に消費・破棄することなく、循環させることを意識した生活を心がけていきましょう。

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