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ウォルマートとはどんな企業?環境問題への取り組みもあわせて紹介

全企業の中で世界最大の売り上げを誇る、アメリカの大手スーパーマーケットチェーン、ウォルマート。「ギガトンPPA」という独自の温室効果ガス削減のための取り組みを行うなど、環境問題に配慮した経営を行っています。

ここでは、ウォルマートがどのように環境問題に貢献しているのか、そもそもウォルマートとはどのような企業理念を掲げた会社なのかについて、わかりやすく解説します。環境問題に関心のある人はぜひ参考にしてください。

参照:PR Wire|フォーチュンがFortune Global 500の年次リストを発表

ウォルマートとはどんな企業?

ウォルマートは、アメリカに本社を置く世界最大規模のスーパーマーケットチェーンです。大量の商品を安価に販売するという薄利多売の経営戦略で、2018年度時点でアメリカ国内に4,800店舗、世界27ヵ国で11,300店舗を展開しています。

ウォルマートの起源は、1962年のこと。サム・ウォルトン氏がアーカンソー州に「ウォルマート・ディスカウント・シティー」という小売店を開店したことから始まりました。ウォルマートでは食品や日用品だけでなく、衣料品や家電、化粧品、植物などあらゆる商品をリーズナブルに購入できるため、コスト重視派のアメリカ国民に重宝されています。

また、ワンフロアにスーパーとディスカウントストアを集約し、レジも1ヵ所に集中させたスーパーセンター業態を採用したのも、ウォルマートが先駆けです。ワンフロアで完結することにより建設費や人件費の削減を実現できるだけでなく、顧客の利便性も高めることができ、低価格と顧客獲得を両立させています。

参照:流通視察ドットコム|ウォルマート

ウォルマートが大切にしていること

ウォルマートが事業を行うにあたって重視しているのは、売り上げだけではありません。ここでは6つのポイントに分けて、ウォルマートが大切にしていることを紹介します。

よりよい生活や地球を支援する

ウォルマートは、人々が充実した日々を送れるよう、お金の節約に貢献するという使命を持って活動しています。その使命を実現するために、健康的な食品や安全な製品をリーズナブルな価格で提供しているのが特徴です。

創始者であるサム・ウォルトン氏は、1962年、アーカンソー州ロジャーズ地域に最初のストアをオープンしました。地域の住人にリーズナブルで多彩な商品を提供するだけでなく、雇用を生み出すという意味でも住民に対しサービスを提供したいと思ったからです。

現在、ウォルマートは災害支援やコミュニティ団結イニシアチブ、地域の助成プログラムなどによっても地域社会に奉仕することを目指しています。地域の人々がつながりを持つことで、持続可能な社会や飢餓の緩和につなげ、より良い生活と地球の回復に貢献しています。

公平な雇用機会を創出する

ウォルマートでは、世界中の200万人以上の従業員、またサプライチェーン全体の企業や人々に雇用機会を提供しています。雇用を通じて人権を尊重することを重視しており、誰もが公平にキャリアアップやスキルの獲得ができる取り組みを実施。民族や生まれ育った背景、それぞれが持つ志向に関係なく、平等にサービスを提供することを目的としています。

また、顕著な人権問題を特定し、サプライヤーやその他の利害関係者と共有することで人権問題が起こらないよう配慮していることもポイントです。雇用主、小売業者、地域社会の一員といった3つの立場を持つからこそできる、人権へのアプローチ基盤を築き上げています。

文化や多様性を重視する

人権問題にも通じることですが、ウォルマートでは自社だけでなく社会全体の多様性や公平性、包括性を推進することも重視しています。自社の活動は、従業員1人1人が会社に所属していると実感を得られるようサポートすることで、従業員それぞれが能力を発揮できるよう促進。

従業員がそれぞれ自分の能力を発揮することで、企業の使命である「人々がお金を節約し、より良い人生を送れるようにする」という目的につながるとウォルマートは考えています。

慈善活動を行う

ウォルマートでは、世界中のさまざまな国の困っている人々に対し、現金や物資の寄付を行っています。例えば、2011年の東日本大震災の際も日本に対し支援を行ってくれました。小売業者であるウォルマートは、現金以外の食料品やモノを提供できることが一つの強みとして生かされています。

人々の健康に貢献する

ウォルマートでは、薬の質問に答えたり処方箋の作成をサポートしたりと、人々の健康に関する事業も行っています。店頭では市販薬や健康的な食品を販売することで、健康への配慮を実施。

一部の店舗ではコロナウィルスの検査を行ったり、コロナワクチンが全国民に届くよう支援したりと、医療問題を通じて地域社会のニーズに応えています。また、アメリカで問題となっているオピオイド(麻薬性鎮痛剤)の乱用を防止するため、イニシアチブを設立して人々の健康や経済的な破壊を防ぐ活動も行っています。

環境問題に貢献する

ウォルマートでは、持続可能な世界を実現するために、さまざまな環境に関する活動を行っています。例えば、気候変動問題に対して「ギガトン PPA」を実施することで、2030年までにサプライチェーン全体の温室効果ガス排出量を10億トン削減するという目標に向かっていることなどです。

PPAとは、クリーンエネルギー開発業者と信頼できる企業との間で行われる長期契約のことで、日本語では電力購入契約と呼ばれます。しかし、PPAに参入するには多額の費用がかかることから、一般企業が参入するのは難しいのが現状です。

そこで、ウォルマートがリーダーシップをとってPPAを行い、各企業が小口でも契約できるようにしました。これがギガトンPPAです。大企業だからこそできる環境問題へのアプローチは、他の企業の環境配慮へのサポートにもつながっています。

その他、毎年気候リスクを評価しシナリオを作成するなど、健全な経営のための管理にも積極的に取り組んでいます。

ウォルマートのまとめ

資金力や影響力がある企業だからこそできる取り組みで、人権問題や環境問題に貢献しているウォルマート。自社はもちろん、サプライヤーを含めると膨大な人や企業がかかわっているため、ウォルマートのあらゆる取り組みは大きな効果が期待できるでしょう。

環境問題に関しても、ギガトンPPAなど具体的な目標に向かった取り組みをすでに実施しています。ウォルマートの取り組みを応援するとともに、私たちもできることから持続可能な社会に向けた取り組みを行っていきましょう。

 

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