人々


持続可能な社会実現のために「写真」でできること
人生に寄り添い、“人と思い出をつなぐ”を後世に。


【インタビュー】
株式会社キタムラ 経営管理部 リスクマネジメントGrグループマネージャー 中野 潔さん 

2021年3月に発足したアイ・グリッド・ソリューションズの「CO2ゼロアクション プロジェクト」。このプロジェクトは、アイグリッドが提供する再生可能エネルギーの電気ブランド「スマ電CO2ゼロ」やCO2削減アクションを推進するエネルギーマネジメントシステム「エナッジ」などを通じ、お客様と一緒に脱炭素社会実現を目指し、CO2ゼロの輪を繋げていくプロジェクトです。今回は、「カメラのキタムラ」「スタジオマリオ」でおなじみの株式会社キタムラ(以下キタムラ)の経営管理部 リスクマネジメントGrグループマネージャー中野 潔さんに再エネ電気への切り替えに至った経緯やキタムラ・ホールディングスのSDGsへの取り組み、今後の展開などについてお聞きしました。

—キタムラの事業概要について教えてください。

主に、写真や画像・映像を中心とした事業を展開しています。まず、写真プリントやフォトブックの販売、カメラやスマートフォンの販売、買取りを行う「カメラのキタムラ」の運営、次に記念日の写真を中心に撮影を行う「スタジオマリオ」の運営、また、Apple製品の修理サービスを行うアップル製品サービス事業、そして「キタムラネットショップ」などによるEコマース事業となります。

1934年に創業し、一貫して写真を中心とした事業を展開してまいりました。写真関連商品の生産から販売だけでなく、撮影機材の販売、撮影サービスの提供、写真や動画のデータ化サービス等、スマホの普及などライフスタイルや写真文化の変化に合わせたサービスを展開しています。

—アイグリッドと接点は?サービス導入の経緯を教えてください。

2018年からのお付き合いとなります。当社は全国で1,062店舗(2021年3月末現在)を運営していますが、アイグリッドさんに切り替えるまで、電気契約は店舗ごとやエリアごとで行っていました。アイグリッドさんへの切り替えにより、契約を一元管理できるようになり、他社の電力会社と比較した際のコスト面でのメリットもさることながら、それ以上に光熱費管理の一本化により業務効率が格段にあがりました。そして、今回新しくクリーンエネルギーの電気プランを開始したとご案内いただき、スマ電CO2ゼロに切り替えていくことにしました。商業施設に入っている店舗は母店と連携した対応が必要ですが、路面店については段階的にスマ電CO2ゼロに切り替えていきます。

キタムラ・ホールディングスグループでは環境問題への取り組みを、経営の中心課題と捉え、社長を中心に取り組みを強化していますが、キタムラの環境を意識した取り組みは1997年の京都議定書が採択された頃に遡ります。

これまでも、写真に関することで環境にとってよいことはなにか、そして、事業運営をする中で貢献できることは何かと課題意識を持って事業に取り組んできました。そうした中で私たちができることは何かを考えた際、まずは身近な電気からと省電力には取り組んできましたが、今回アイグリッドさんからCO2ゼロ電気の提案を受け、簡単な手続きでCO2排出量が実質ゼロという環境負荷を抑えた電気に変えることができるとお聞きし、すぐに導入いたしました。

—身近な電気から環境によいことを。とのお話でしたが、それ以外にも御社では環境に配慮された取り組みをされていらっしゃいますね。

私たちの事業の軸にあるものは「写真」です。これは一人一人の人生の歴史を残すものでもありますが、美しい、素晴らしいと思う景色や自然も写真として残すことができます。

こうした自然を残すことで、人々の「撮りたい」と思う気持ちを後世に残していきたいと考えています。

写真には思い出や感動を形として残す素晴らしさがあります。こうした写真を撮るという写真文化から環境保全につなげていきたいと思い、プレジデント社「環境フォト・コンテスト」への協賛を1998年から続けています。この年はキタムラが大量出店した年で多くのお客さまに周知ができ、環境保全への貢献につながると考え開始しました。それ以外に自然保護の活動としては、日本野鳥の会(2008年~)、知床財団(2015年~)への賛助活動を行っています。

素晴らしい自然があれば写真に残したいという気持ちになると同時に、写真を撮る人々にとってもこの美しい自然を大切にしていきたい・残していきたいという思いも芽生える。写真を通じて環境保全の循環につながるのではないかと考えています。

また、SDGsの12番目の項目「つくる責任・つかう責任」に該当すると思いますが、お客さまの使用済みフィルムケース、電池、インクカートリッジの店舗での回収を続けています。最近はフィルムケースの回収は随分減りましたが、子供の生活素材を活用した工作に使いたいといって店舗を訪れてくるお客さまもいらっしゃいます。リサイクル活動と地域コミュニケーションにもつながる取り組みとして今後も続けていきたいと考えています。

また、環境保護活動以外にも「写真文化」を伝える活動として、キタムラ主催の写真コンテストや思い出の整理の仕方などの情報発信を積極的に行っています。

写真コンテストでは、自然の美しさや大切さなど写真を撮ることで人々に自然愛護の気持ちを高めていただき、自然環境の保護にもつながっていると感じています。

—今は誰でも簡単にスマホで写真が撮れる時代になりました。御社事業にとって社会の変化にどのように対応されていらっしゃるのでしょうか。

カメラも時代の流れと共に大きく変化してきました。フィルムの時代からデジタルカメラにかわり、データで残す時代に。我々の事業もこの時代の流れに併せてサービスを変えています。今は印刷もさることながらたくさん撮ったデータをフォトブックにしたり、過去に撮り貯めた写真やビデオをデータ化したり。

手軽にたくさん撮れる写真だからこそ、大切にしたい思い出を形に残してもらうためのサービスラインナップを増やしています。

そして、記念日を大切な思い出としてきちんと残したいと思う方も増えています。キタムラで運営している「スタジオマリオ」では、生まれた時から節目節目の記念にプロによる撮影を行っています。

写真が身近になるからこそ、プロによる質の高い撮影で思い出を残すという人々が増えてきていると実感しています。

—コロナによる社会生活の変化で価値観の変化も感じますか?

今はなかなか人と気軽に会えない状況が続いています。だからこそ写真を通じて人と人をつなぎたい。と強く感じています。

なかなかおじいちゃんやおばあちゃんに会えないから…と子供の成長する姿を記念に良い形で残し、写真で元気な姿を届けたいと感じる親御さんも多くなりました。こうしたお客様の思いを大切に形に残していきたいとスタジオマリオでは我々も感染対策を徹底した中で、運営を行っています。一瞬一瞬のかけがえのないお子様の成長を、レンズを通して逃さないように写真に収めています。

またおうち時間が増えたことで、この機会に写真の整理を行う方も増えました。こうした方々に、写真の整理方法についての情報発信や、古いビデオテープをデジタル化するサービスなどを展開し、しまわれて見ることができなかった思い出を蘇らせて、家族で過ごす時間を豊かにするお手伝いもしています。

時代の変化と共に写真の形も変わってきています。そして、現在の社会生活の変化で写真への価値観がより大切なものになっていると私たちは考えています。

—御社にとってのSDGsとは?どのような取り組みが持続可能な社会につながっていると思われますか?今後の展開や地域への思いなど教えてください。

写真を通じた事業を展開していく中で、当社では女性従業員も多く、カメラのキタムラ及びスタジオマリオの店舗では、全店舗の約4割で、女性店長4百名が活躍しています。お客様の人生と寄り添うサービスですので、あらゆる世代・ジェンダーが活躍できる会社でありたいと考えています。

お客さまとのコミュニケーションを通じて、店舗からさまざまな企画・ニーズが本部に上がってきます。その企画を試験的に一部店舗で導入した後、お客さまの反響がよかったものは全国の店舗で展開しています。多様で素晴らしい従業員がいることが、私たちのサービス改善の原動力になっています。

また、中古カメラの買い取り・販売も全国で展開しています。グループの中にカメラのメンテナンス・修理を行う会社もあり、カメラを使い捨てではなく、価値ある資産として循環型の社会を作っていきたいと考えています。

現在は、ホールディングスとしてグループ会社が一丸となって、持続可能で発展的な社会に貢献できることはないかと、社長がプロジェクトリーダーとなってさらに環境対応、多様な人材の活躍を促す環境整備をはじめとしたSDGsへの貢献に向けて動いています。

これからもますます企業として持続可能な社会実現に向けた取り組みを積極的に導入していきたいと考えています。

そして、お客さまが思い出を大切されるように、キタムラスタッフ一同お客さまとお客さまの思い出を大切にし、お客さまの人生に寄り添っていきたい。そんな思いで日々サービスをお届けしております。

私たちにとってとても身近な「写真」。

「写真を通じて人に寄り添い、そして人生に寄り添うことができるのです。」と語る中野さん。今はなかなか人と会うことができない中で写真を通じて人をつなぎ、一瞬一瞬の思い出を形に残す。人々の心に寄り添うあたたかい、強い思いを感じました。アイグリッドのエネルギーで人と人をつなぐ思いと通ずるものがあります。

環境配慮だけでなく、女性の活躍もめざましいキタムラは、事業を通じたSDGsを実現し、写真文化を未来につなげ、人と人の絆を強くする架け橋のような存在だと感じました。

「写真文化を伝えていく役目を果たしたい」

キタムラの誠実で熱い思いは、写真を通じて多くの人の笑顔を繋いでいます。

中野 潔(なかの きよし)様

プロフィール

役職: 経営管理部 リスクマネジメントGrグループマネージャー

1994年入社。熊本地区、東神奈川地区、福井地区のブロック長を経て、2016年管理部副部長に就任。2021年4月より経営管理部 リスクマネジメントGrグループマネージャー。現在に至る。

「物事を素直にみる。迷う時にはお客さまと従業者のことを考える」をモットーに、店舗での経験を活かし、企業の価値の維持、向上のためのリスクマネジメントに従事。

【事業の紹介】

「カメラのキタムラ」

「スタジオマリオ」

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