ビジネス・技術

サービスグロースの要!高齢者ユーザーを取り込むには
by リブ・コンサルティング

こんにちは。MaaSHack編集部の中村です。
今回はMaaSの事業開発を進めていくうえで避けては通れないテーマ
「高齢者をユーザーとして獲得するにはどうすればいいのか」について触れていきます!

▼目次
1.高齢者ユーザーを取り込むことの必要性
2.高齢者のデジタルデバイドの実態
3.高齢者ユーザー取り込みのポイント
まとめ
<参考>

1.高齢者ユーザーを取り込むことの必要性

さて、そもそもどうして高齢者を取り込む必要があるのでしょうか?
たしかに、少子高齢化の社会において、高齢者の割合は増えています。
若者に比べれば、お財布も大きいでしょう。
しかし、単にマーケットの大きさだけを理由にしてターゲットと断定するのは事業開発においては少々危険な行為です。
まずは改めて“なぜこのサービスで高齢者を狙うべきか”を確認していきます。

では、なぜ高齢者をMaaS事業は狙うべきなのでしょうか?
それは、高齢者の方が移動に課題を持ちやすく、ヘビーユーザーになってくれる可能性が相対的に高いからです。
通常、モビリティサービスは1利用あたりの収益性はそこまで高くない傾向にあるため “利用回数”を担保できるかが収益化を狙う中でポイントになってきます。

そこで、日常的に利用してくれる可能性が高いのは高齢者の方です。
総務省のデータによると、65歳以上の高齢者は総人口のうち28.9%を占めています。
このうち、免許を保有者しておらず運転できない人間は約47.4%。
免許返納が進んでいるため、75歳以上に限って言えば約68.4%の方が運転することができません。
こういった方々こそがまさに移動に課題を感じており、我々がターゲティングすべき対象なのです。彼らの移動課題を解決することは、地域への貢献にもつながります。

高齢者になればなるほど、外出率が低下する傾向にありますが、
外出機会の減少に伴って認知機能の低下や精神状態への悪影響など、健康に支障をきたすことが近年の研究からも判明しております。
移動目的の創出をして移動機会を提供し、同時に健康増進をする。
これこそがあるべき地域振興の一つの形なのではないでしょうか。

2.高齢者のデジタルデバイドの実態

以上の通り、ビジネスの収益性担保の観点からも地域課題解決という観点からも高齢者をモビリティサービスに取り込むことの重要性についてはご理解いただけたかと思います。
しかしながら、我々の誰もが知ることながら、ご高齢者の方々には新しいサービスがなかなか定着しない傾向にあります。
これは言わずもがな、新サービスは往々にしてスマートフォンのアプリを使うからです。実際、ご高齢者の約70%がスマホを利用することに何らかのハードルを感じています。(イオンモバイル社リサーチより)
スマートフォンの普及率は年々上昇しているものの、スマホデバイスの活用に ハードルがあると、スマホを媒介としたモビリティサービスの利用にもハードルを作ることになってしまいます。

こういった状況に対して、総務省はデジタルデバイドの解消を目標に高齢者などのデジタル弱者に対する支援を検討しております。
具体的には、「デジタル支援員制度」などが挙げられます。「高齢者が近所のひと(地理・精神的に近いひと)に相談できるとデジタル活用が進むのではないか」という思想のもと、住居から地理的に近い場所で、ICT機器・サービスの利用方法について教えたり相談を受ける人を設けようというものです。
このように、政府側は”教える”という観点からデジタルデバイドの解消に取り組んでおります。

3.高齢者ユーザー取り込みのポイント

では、我々民間事業者としてはどのような工夫をしていく必要があるのでしょうか。 “新しく学ぶのではなく、これまでと似たような体験”をしてもらうのがポイントだと考えています。
今回は「デバイス」と「UI/UX」の2つの観点から見ていきましょう。

■デバイス
そもそも、スマートフォンは高齢者にとって馴染みがなく。電話アプリを開くのもおぼつかない方も多いことでしょう。
複数のアプリがあり、それを使いこなすというのはご高齢者の方からすると至難の業です。
では、どんな形であればこれまでと似たような体験によってアプリを駆使することができるのでしょうか。
今、注目されているのは“AIスピーカー”です。スマホという新しい機械の操作は苦手ですが、会話上のやりとりであればご高齢者の方は普通にこなすことができます。
つまり、操作を会話で出来るようにすれば問題ないのではないでしょうか。モビリティサービスの開発の際に、どのようにAIスピーカーを取り込むか具体的なオペレーションについては工夫の余地があると思いますが、音声入力というのは一つの有効な切り口となりうるでしょう。

また、使い慣れたデバイスという点では”テレビ”をうまく活用するという方向性もありうるかもしれません。まごチャンネルという商品をご存じでしょうか。ご高齢者の方が、お孫さんの様子をテレビで見ることができるデバイスです。
こちらの商品が人気を博しているのも、テレビという大画面かつ扱いなれたデバイスであればご高齢者の方でも、利用可能だという証左でしょう。

■UI/UX
では、デバイスを変えずにUI/UXの部分で工夫はできないのでしょうか。
結論としては、工夫の余地は十分にあるかと思います。
ここでもやはり、キーポイントは”これまでの体験に似せること”です。
ここでは、静岡県下田市のオンデマンド交通サービス「イズコ」の事例をご紹介いたします。
イズコは、時間や場所など複数の条件を入力し、いくつかルートを提示してくれるサービスだったのですが、この複数条件入力や候補ルート・車両が多数出てくる画面が、デジタルデバイスが苦手な高齢者にとってはかなりハードルでした。
しかし、これをリアルのバスの時刻表のような表示に変え、どの時間帯のバスに乗るのかと同じような感覚で車両を選べるようにしたことでユーザーの利用ハードルを下げることに成功しました。

まとめ

ご高齢者のユーザーを増やすために、私なりの視点で取り込みのための可能性・方向性をまとめさせていただきました!

最後までご覧頂き、ありがとうございました。 (記:中村)

<参考>

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<作成者プロフィール>
株式会社リブ・コンサルティング
コンサルタント
中村 仁哉

東京大学法学部卒業後、リブ・コンサルティングに入社
モビリティ業界を主として事業開発・マーケティング系コンサルティングに従事
《主なコンサルティング実績》
MaaS事業開発支援
ヘルスケア新規事業開発・企業支援
SaaS系ベンチャー 事業開発支援
マイクロモビリティメーカー マーケティング戦略策定・実行支援
カーディーラー デジタルマーケティング戦略策定・実行支援

コンテンツ提供:リブ・コンサルティング

モビリティ業界をリードし、「100年後の世界をよくする会社」を中心に支援しています。

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