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太陽光発電とはどんな発電システム?仕組みや歴史など基本情報を紹介!

地球にやさしく、持続可能性がある発電システムとして、国内外で注目を集める太陽光発電。しかし、どうやって太陽光で電気ができるのか、仕組みや注目される理由が分からないという方も多いのではないでしょうか。そこで、今回は太陽光発電の導入の歴史や仕組み、素材や使用用途によるパネルの違いまで丁寧に解説します。

そもそも太陽光発電とは?

太陽光発電は、太陽の光がパネルに当たると電子が動き出す「太陽光電池」を利用して発電する設備です。太陽光発電と言われてイメージするのは大きいパネルではないでしょうか。あのパネルは、「ソーラーパネル」と呼ばれるもので、太陽電池を複数集めて構成されています。このソーラーパネルをメインに、発電した電気を家庭で使えるように変換するパワーコンディショナーなど、さまざまな構成要素から太陽光発電が成り立っているのです。

太陽光発電の要となる太陽電池の元となったのは、1839年にフランスの物理学者によって発見された「光起電力効果」と呼ばれる現象。これは金属板に光を当てることで発電することを発見したもので、この基本原理を元に太陽電池の実用化が進んでいきます。そして、1958年、人工衛星「ヴァンガード1号」への電気を供給する装置として太陽電池は初めて実用化されました。

太陽電池が日本で大きな注目を集めたのは、1973年のオイルショックのころ。原油価格の引き上げにより、化石燃料に依存した社会システムが揺らいだことで、自然エネルギーである太陽電池への注目が集まります。その後は、サンシャイン計画、ニューサンシャイン計画などを通して開発が進み、2009年から始まった売電制度の制定で、本格的な普及が始まりました。

太陽光発電

なぜ、光で電気が生まれる?太陽電池の仕組み

太陽光発電が太陽の光をパネルに当てることで、発電を行うシステムであるということは多くの方がイメージするところだと思います。しかし、なぜ光で電気が生まれるのか、その仕組みを理解している方は少ないのではないでしょうか?ここでは、太陽電池が電気を生み出す仕組みを解説します。

■太陽電池の仕組み
太陽電池はn型半導体とp型半導体という2種類の半導体が貼り合わされた構造になっており、ここに光が当たることでn型にはマイナスの電子、p型にはプラスの電子が発生し、2つの半導体間で電位差が発生します。この電位差により電子が流れることで電気が生み出されるのです。
太陽電池に使われる半導体にはさまざまな素材のものがあり、この素材によってそれぞれ発電効率が変わってきます。

■太陽電池に使われる素材の種類と特徴
・シリコン系
もっとも一般的な素材で、現在では世界で生産される太陽電池の約8割がシリコン系と言われています。単結晶のものは製品の歴史が長く、発電力の指標である変換効率も15~19%と高めです。多結晶のものは、単結晶を繋げたもので、安価ですが変換効率が13~15%と下がります。

・化合物系
銅やインジウム、セレンを合わせて作られたソーラーパネルで、少ない資源で量産がしやすいのが特徴です。先述したシリコン系だと、太陽光で温度が上がって発電効率が悪くなることがありましたが、化合物系はその欠点を克服しています。変換効率は11~12%と低いですが、シリコン系のパネルより太陽光エネルギーを吸収しやすいため、一概にほかの素材より劣るとは言い切れないでしょう。

・有機系
有機系は最近研究が進んでいる素材で、従来よりも低コストで利用できる上、薄くて軽いので、さまざまな形で利用できる柔軟性が魅力です。発電効率はまだ低く、10%程度にとどまっています。

ソーラーパネルとは?その仕組みや家庭用・産業用の違いについて解説

ここまで太陽光発電の歴史や、太陽電池の仕組みや特徴を説明してきましたが、続いてはソーラーパネルについて解説いたします。

ソーラーパネルは、一般的な太陽光発電のイメージでもある、黒いパネルのことを指し、これまで紹介してきた太陽電池を複数合わせたもののことです。
また、ソーラーパネルの最小単位は「セル」と呼ばれており、これが太陽電池素子そのものを表します。さらに、セルを組み合わせてパネル状にしたものが「モジュール」と呼ばれ、ソーラーパネル=モジュールを意味することになります。
このソーラーパネルは大きく分けて、家庭用と産業用に分けられていますが、主な違いはその発電量の違いです。

■家庭用(住宅用)ソーラーパネル
発電力が10kW未満のものを家庭用ソーラーパネルと呼びます。主に変換効率が高い単結晶のシリコン製パネルを使うことが多いです。

■産業用ソーラーパネル
発電力が10kW以上の場合、産業用ソーラーパネルと呼ばれます。大量のパネルを設置する必要があるため、単結晶より少し変換効率が劣りますが、安価で大量に導入しやすい多結晶型のシリコン製パネルを使うことが多いです。

■さまざまな形で使われるソーラーパネル
ソーラーパネルの単位として、セルやモジュールについて説明しましたが、これらをさらに繋ぎ合わせたアレイやストリングなどの単位もあります。基本的にモジュールを多く設置すれば発電量は大きくなりますが、中でも大規模な太陽光発電設備は「メガソーラー」と言われています。

メガソーラーは1,000kW以上の発電力を持つ太陽光発電設備のことで、ソーラーパネルを大量に設置することで大きな発電量を発揮することができます。1,000kWとは、実に一般家庭における1年間の使用電力の300世帯分にも及びます。
当然ながらメガソーラーを設置するためには広大な敷地が必要になり、保有しているものの利便性が低く使われていなかった遊休地などを利用して設置されることが多くなっています。

メガソーラーのように大量のソーラーパネルによる大規模発電がある一方で、施設屋根にオフグリッド発電所(自家消費太陽光設備)を導入する形態が、VPP Japanが提供するオフグリッド電力供給サービスです。このサービスは契約者の社屋屋上などにソーラーパネルを設置し、施設に直接電力を供給するサービス。投資負担なしに再生可能エネルギーを導入することができるサービスで、再生可能エネルギーのメリットを実感できます。

このように、ソーラーパネルはさまざまな形態で、世の中に浸透してきています。導入の際には、自分にとって導入しやすい形を吟味してみてはいかがでしょうか?

太陽光発電が社会に与えるメリットと課題

売電制度の制定や、自然災害の増加に伴い、普及が進んでいった太陽光発電ですが、今後ますます脱炭素社会を目指していく社会情勢に鑑みると、まだまだ普及が十分とは言えません。そこには、土地活用や事業者の問題、導入コストの問題など解決すべき課題が山積みです。
しかし、それでも太陽光発電を導入することは、現代社会へも、私たちの将来へも大きなメリットを与えてくれます。

■二酸化炭素の排出量
太陽光電池の仕組み上、太陽光発電は日光から電力を生み出すことができるため、燃料が必要ありません。そのため、環境問題に貢献できると言われています。

■企業におけるCSRとしての評価向上
環境問題への意識が高まる現代において、企業としてCSR活動に取り組むことはもはや必要不可欠です。太陽光発電は経済的なメリットを受けつつも、社会的責任を果たすことができる施策と言えます。

■税制的な優遇を受けられる
再生可能エネルギーの導入は政府としても推進している事業であり、導入によってさまざまな税制面での優遇を受けることができます。

そのほかにも緊急時の非常電源を確保できる、BCP対策としても役立つなど、太陽光発電のメリットは数多くあります。何よりも、高まりつづける環境問題への意識を考えると、それらに貢献する姿勢を示すことができるのは最大のメリットと言えるでしょう。今回の記事を始め、太陽光発電に関するさまざまな疑問に答えたコンテンツをたくさんご用意しておりますので、ぜひ記事を読んで導入の検討を行ってみてはいかがでしょうか?

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