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自家発電とは?発電方法やメリットについて知ろう

停電時にも使える電源として、注目を集めている「自家発電」。中には地球環境に配慮した発電方法もあり、導入するメリットの多い設備です。今回は「自家発電って何なの?」と疑問に思っている方へ向けて、自家発電の概要やメリットについて解説します。

自家発電とは?種類も詳しくご紹介

そもそも自家発電とは、電力を消費する側が発電設備を使って自分で電気を作ることを言います。その際に使われる設備が「自家発電設備」です。自家発電設備にはさまざまな種類があります。

■太陽光発電
太陽光電池に太陽光を当てて電気を発生させるシステム。電気の販売を目的とせず、発電した電気を自分で消費する場合、「自家消費型太陽光発電」と呼ばれます。

■風力発電
風の力で風車を回し、その回転運動を発電機によって電気に変える発電システムです。安定供給を行うためには風の強い場所を選び、巨大な設備を必要とするため一企業で導入することは難しい発電方法でしたが、近年ではマイクロ風車と言う、小型化された発電システムも開発されています。

■ガスタービン発電
燃料を燃やして発生する燃焼ガスでタービンを回して発電する自家発電設備です。燃料には天然ガスや石油などを用います。設備の体積あたりの発電効率が高く、小型化できる点がメリットです。

■蒸気タービン発電
蒸気の熱エネルギーを使ってタービンを回し、発電するシステムのことを言います。火力発電や原子力発電など、従来の発電方法にも採用されている仕組みです。ガスタービン発電と組み合わせ、ガスタービンの排熱を利用して発電することもできます。

■ガス発電(燃料電池システム)
都市ガスやLPガスから水素を取り出し、空気に含まれる酸素と化学反応させることで発電するシステムです。発電時に二酸化炭素が発生しないため、太陽光発電や風力発電と同じく環境にやさしいと言われています。

このほか、人力でハンドルを回して発電する手動式発電機や、ガソリンを燃料とするエンジン式発電機も自家発電にあたります。

自家発電のメリットとは?

このようにさまざまな種類が自家発電にはありますが、全体のメリットは大きく2つにまとめられます。

■非常時の電力になる
近年、台風や地震などの自然災害が増加し、大規模な発電所から電気を買っている企業・施設が長期間の停電に悩まされることが多くあります。特に災害時にも対応が求められる施設では喫緊の課題です。そうした事態の解決策として、非常用電源にもなる自家発電設備が注目を集めています。

自家発電設備は独立電源システムの場合、電力系統に依存しないため、燃料やエネルギー源さえ確保できれば発電・消費ができます。中でもLPガスを利用した発電設備は独立電源システムとして注目されています。風力や太陽光などの自然エネルギーも電源として利用できます。

■電力コストの削減に繋がる
電気料金の値上げが続く昨今、消費電力の削減は多くの企業にとって重要な課題になっています。こうした課題の解決策になるのが自家発電設備の導入です。自家発電で得た電力を使えば、電力会社から買う電力量を減らせるので、電気代の削減になります。

特にメリットの多い発電方法は「自家消費型太陽光発電」

自家発電の中でもメリットが多いとされているのは太陽光発電です。

■メリット1:環境問題解消に貢献できる
昨今、企業は社会貢献のほか、環境への配慮も活動の評価に含まれるようになってきました。太陽光発電なら、火力発電など従来の発電方法と違って二酸化炭素を排出しないので、企業の環境配慮への姿勢もアピールできます。また、既存施設の屋根に太陽光発電設備を設置する場合は、自然を壊したり、山を切り崩すこともありません。

■メリット2:導入価格が下がり続けている
太陽光発電は風力発電や水力発電のように、大掛かりな設備がなくても発電できます。また、導入にかかる費用は年々下がり続けていて、2012年は1kWhあたり42.2万円かかっていましたが、2019年には26.6万円まで下がりました。今後も下がり続けることが予測され、したがって自家発電設備に太陽光発電を導入する費用も減少していくと考えられます。

■メリット3:電気自動車とあわせて使うことができる
電気の性質上、発電した電気を蓄えておくことができませんが、蓄電池を利用することで電気を蓄えておくことができます。また、電気自動車も、蓄電池同様に発電した電気を蓄えておくことが可能です。蓄えた電力は非常用電源として用いることができます。
また、太陽光で発電した電気を電気自動車の充電に使うことで、環境問題に貢献できるうえ、自動車の燃料のコストダウンにも繋がります。

■メリット4:余った電力を売ることができる
自社で消費できなかった分の電力は、電力会社に売ることが可能です。現在、売電に関する制度は以下のようなものがあります。

・「FIT制度」
再生可能エネルギーを使って発電した電気を、電力会社が10~20年間※、常に同じ金額で買い取り続けることを政府が保証するシステム。利用することで、長期間の安定した収益が期待できます。
※発電出力量によって期間が異なります

・「FIP制度」
FIT制度と同じく、定められた価格のある売電制度。FIT制度と違うのは、基準価格に加え、市場に販売した場合の価格も参照される点。基準価格と参照価格の差を補助金として受け取ることができます。市場価格が高い時は、FIT制度より多い金額を受け取れることも。

ただし、余剰電力の売電を行う場合は上記の制度に事業申請を行う必要があるため、注意が必要です。

「自家消費型太陽光発電」を使った事例を紹介

自家発電の中でも、太陽光発電は非常にメリットのある発電設備であることがわかってきました。とは言え、太陽光発電の実施には、少なくない額の初期投資が必要なことも事実です。始めてみたいが、初期投資に躊躇してしまう方におすすめなのが株式会社VPP Japan(以下「VPP Japan」)が提供するオフグリッド電力供給サービスです。

VPP Japanのオフグリッド電力供給サービスは、初期の投資負担なしで、建物の屋根に発電設備を設置できるサービスで、太陽光発電でできた電力を施設内で安価に使用することができるシステムです。
以下では、オフグリッド電力供給サービスを利用した実際の事例をご紹介します。

■事例1:食生活提案型スーパーマーケット(株式会社ヤオコー)
株式会社ヤオコーでは、太陽光発電を使用した自家発電設備を導入しています。発電設備に加え、電気自動車の充電ステーション「SOLA」も設置。発電した電力をスーパーマーケットの店舗だけでなく、来店するお客さまにも提供することで、地域と一体になって低炭素化を目指しています。

今後は、蓄電池の利用や「SOLA」の充電器をV2Hとすることで災害時や停電時にも店舗で電気が使えるように、実証実験を進めています。

店舗に来店されるお客さまに太陽光電力を提供R-EV充電ステーション「SOLA」食生活提案型スーパーマーケット 株式会社ヤオコーに導入

■事例2:大規模物流センター(株式会社シーアールイー、名鉄運輸株式会社、伊藤忠商事株式会社)
トラック輸送に伴うCO2排出の課題から、環境配慮への関心が高い物流業界。取り組みの一環として、自家消費型太陽光発電を物流センターの屋根に設置しました。施設で使う電力の50%を太陽光発電で賄うことと、災害時の電源としての活用が導入の目的です。

将来的には、太陽光発電設備を電気自動車の一種であるEVトラックの電源にすることで、物流機能の脱炭素化を目指しています。

VPP Japan ~物流センター使用電力の50%を再エネに転換~

自家発電は、日ごろかかっている電気代が削減できるほか、停電時のリスクヘッジにもなる、大きなメリットのあるシステムです。さらに

自家発電は、日ごろかかっている電気代が削減できるほか、停電時のリスクヘッジにもなる、大きなメリットのあるシステムです。さらにVPP Japanのオフグリッド電力供給サービスを用いれば、初期投資の負担なしにその恩恵を受けることも可能です。脱炭素の取り組みとして、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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